俺が初優のことを知ったのは、友達の優希の話を聞いたから。話を聞いただけなのに、初優に会ってみたくなって連絡先を教えてもらった。
「なぁ、遥陽。お前、彼女とか欲しくねーの?」
「どうしたんだよ、急に」
あれは確か高校2年生の冬。
本当になんてことない話をしていて、不意に優希にそう聞かれた。今までそんな話をしたことはないのに、急にどうしたんだ。
「いや、俺の彼女の友達が彼氏いないんだって。んで、紗夜が誰か紹介してみたいとか言ってんだよな。お前、昔彼女欲しいって言ってたから、紗夜に少しお前のこと話したわ」
「は?突然過ぎて話についていけねーんだけど。つか、勝手に俺の事話すなよ」
優希の突然の暴露についていけない。
紗夜とは優希の中学から付き合ってる彼女のこと。まだ直接は会ったことないが写真を何度か見せてもらったことはあって、顔だけは知っている。
まぁ、全部惚気のついでに見ただけだけど。