その力強い紗夜の言葉を聞いて、いいなと思った。
昔の私に、そんな強い意志があれば遥陽と別れずに済んだのかなって思ってしまう。
「すごいね。紗夜と優希さんなら、どんな壁でも乗り越えられそう」
「えへへ。でも、相手が近くにいるっていうのも大事だと思うけどね。あ、ほら授業が始まる」
話を聞いていると教授が教室に入ってきて、授業を始める。
だけどその時の私は授業の内容なんて頭の中に入ってこなかった。考えるのは紗夜の言葉。
相手が近くにいる……か。
確かに大切だと思う。だけど少し相手から離れるのも大事だなと思った。
あまりにも近くにいすぎると、自分の気持ちに歯止めが効かなくなったり、気持ちが消えたりするかもしれないからね。
遥陽……元気かなぁ……。
そこまで考えて、ふと遥陽の顔が浮かんだのは私だけの秘密。
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1日の授業が終わり、みんな帰る準備やバイトに行く準備、友達と遊ぶ準備をしたりしている。