「なぁんだ。知ってたんだ。久しぶりに初優の照れた顔見れると思ったのに。残念」


「どういうことよ。別に知ってていいじゃん」



紗夜の言葉に苦笑いしながら返す。


私の照れた顔って……。見てもなんの需要もないと思うけどな。



「順調ならいいんだけど。いいなー。私も優希とデートしたい〜!」



そんな私を見て紗夜は顔を机に突っ伏す。


そういえば優希さんって県外の大学に通ってるんだっけ?


だからなかなか会えないってこの前紗夜から聞いたことあるな……。



「紗夜、大丈夫?」


「ん?何が?」


「ほら……遠距離恋愛だと、色々大変そうだから」



言いながら言葉を濁らす。


自分もすれ違いとか経験あるから、大変そうだなと思う。それがきっかけで遥陽とは別れちゃったから……。


今の紗夜を見ていると昔の自分を思い出して、勝手に不安になっている。



「まぁ、大変だけど、私は優希がいいからね。優希だから付き合ってる。たとえ会えなくても頑張れるんだよ」