友達だから一緒のところに行く、という約束はしたわけじゃないけど、目標とする大学が一緒だった。


だけど夢はそれぞれ違う。


大学は一緒だけど、選択してるコースは違うので滅多に校舎ではすれ違わない。たまに一限目が被って、一緒になるくらい。


紗夜とはつくづく長い付き合いだなぁと不意に思う。



「あ、そういえば、さっき早河(はやかわ)くんを見かけたよ。早河くんも一限目から?」


「うん。今日は私と授業のスケジュールが一緒みたい。学校が終わったらデートの約束してるし」



紗夜が隣の席に座り、突然ニヤニヤと笑いながらそう教えてくれた。だけど、授業のスケジュールを把握していたので、驚いたりしない。


あ、早河って、るいの苗字なんだよね。


紗夜とはサークルが一緒だからそこそこ仲はいいみたい。たまにこうやってからかったりしてくるけど、紗夜は私たちのことを応援してくれている。


こういうところ、高校の頃から変わらないなぁ。