いつも泣かない紗夜が涙を流している。


初めて見る紗夜の泣き顔につられて私もいつの間にか泣いていた。



「そりゃ泣くわよ……。散々偉そうにアドバイスしといて結局なんの力にもなれなかったし……。初優の気持ち考えたら今が1番辛い時なのに、こんなに話してくれて……。初優、頑張ったね。お疲れ様」


「うぅ……紗夜……」



紗夜の言葉を聞いてまた泣いた。昨日もその前もたくさんたくさん泣いたのに、涙はまだ枯れない。


紗夜の言葉ひとつひとつが胸の奥に響いてほっこりと暖かくなる。


言葉のひとつひとつが、染み渡る。



「初優、泣いていいからね。私の前では遠慮しないで」


「紗夜……!うわぁぁぁん!」



腕を広げて待つ紗夜の中に飛び込むようにして身を寄せる。その後はまるで子供のように大きな声を出して泣いた。


私を抱きしめてくれてる紗夜も泣いていた。


2人で感情のままに、涙を流して止まるまでその場から動かなかった。


登校してきた生徒にチラチラと見られながらもそのことを気にせず、涙を流す。