紗夜はパンケーキを切る手を止めて顔を上げる。その目は驚いているようで、ぱちぱちとさせていた。
「なんか……仲直りの方法分からないんだよね……。それに、いま遥陽に会ったらまた余計なこと言っちゃいそうで……。怖いんだよ」
言っていてまた苦しい気持ちが沸き上がる。
前は遥陽に会いたくて会いたくて仕方なかったのに今は会いたくない。
仲直りしてもこの先遥陽との恋を楽しめるのか不安なんだ。
「……そっか……。でも、仲直り、したいんでしょ……?」
「うん……」
仲直りはしたい。
話をちゃんとして、遥陽の気持ちをちゃんと聞きたい。そんなふうに考えているのに、行動に移せない。
私……情けないな……。
「多分ね、冷泉さんも同じこと思ってると思うよ」
「え?」
「優希、あの後冷泉さんと話をしたらしい。話を聞いて、色んなこと聞いたって」
「遥陽、なんて言ってたの?」