紗夜は私の顔を見るとほっとしたように微笑む。
これが元気そうに見えるかな……。最近はご飯もろくに食べてないし、日に当たってないから多分顔はやつれてると思う。
だけど紗夜と電話する時はいつも泣いてしまっているからこの姿は元気に見えるかもしれない。
「……紗夜、今日はどこに行くの?」
「んー、どうしようかな」
「行く場所決めてないの?」
私の体調確認が終わり、おもむろにスマホをいじる紗夜。どこに行くか決めてないんだ。
紗夜らしい……。
いつも紗夜と遊ぶ時はだいたい私が行く場所や日程を決めている。そのせいか紗夜から誘われた時はだいたいその時の気分によっての場所になる。
「今日は、カラオケ行って甘いものでも食べよう!せっかくの夏休みなんだから、2人の行きたいとこ行こう!」
スマホをしまい、私を見るとそう元気よく言った。
カラオケか……。久しぶりだから、少し楽しみかも。