夏祭りのあの日から数日後。
私は何もする気力が起きなくてずっと家に引きこもっていた。
あの時の気持ちって一体なんなんだろう。
怒っているのかも、悲しいのかも自分では分からなくて。ただただ“後悔”という言葉が頭の中に浮かんでいた。
ーピコン。
セミの鳴き声を聞きながら自分の部屋でぼーっとしていると、机に置いておいたスマホが震えた。
『初優、大丈夫?ちゃんと食べてる?』
一瞬遥陽かと思って期待してしまった自分に落胆する。メッセージの名前を見て、明らかにため息をついてしまった。
「……ごめん、紗夜」
メッセージの相手は紗夜だった。
失礼なことを思ってしまい、勝手に罪悪感に押しつぶされそうになる。
『全然大丈夫!ありがとう』
そう返事を打ってスマホを放り投げる。全然大丈夫じゃないのに一体何を強がっているんだろう。
私……バカだ……。
紗夜は私と遥陽が喧嘩したのを知っている。あの日、あの後すぐに紗夜にメッセージを送り、自分で伝えた。