遅れているのは遥陽だから、2人は悪くない。
私だけ待ってるよ、と伝えると、2人は顔を見合わせる。
「でも……この人混みの中1人で待ってるの大変だと思うよ」
「……大丈夫!2人で楽しんできてよ」
自分で言っていて、なんだか虚しくなる。
紗夜が心配そうに私を見ていると、手に持っていたスマホが震えた。私はそっとスマホを開き、画面を見る。
『連絡遅くなってごめん!ついさっき塾終わっていま電車乗った。連絡しないで遅くなって本当にごめん!』
遥陽からだ……!
やっとメッセージを貰ったことにほっとし、紗夜に言った。
「いま遥陽から連絡来て、いま電車乗ったって!もう少しで遥陽もつくと思うから大丈夫だよ!」
「本当に?大丈夫?」
ほら、とメッセージの画面を見せると、紗夜は納得して頷いている。だけどやっぱり私を1人にするのが心配みたいでずっと大丈夫?と聞いてくる。
「大丈夫!ほら、2人とも行きなよ。私も後で追いつくから!そんで、また合流しよ!」