私と優希さんのやり取りを見て心配そうに紗夜がそう言った。本当は不安でしょうがないけど、それを言っても現状は変わらない。


私はグッと言葉を飲み込み、無理やり頬を引き上げ、笑った。


遥陽……なんでメッセージくれなかったの……。



「遥陽のやつ、全然来ないな。先に出店回ってるか?」



不安な気持ちを抱えながら紗夜たちと遥陽が来るのを待っていた。だけど、一向に姿を現さない遥陽。


夏祭り会場は来た時よりも人でごった返していて、すごい熱気だった。


スマホをチラチラ見るも、メッセージは来ない。これ以上2人を巻き込むのも申し訳無いし……。



「えー、でも冷泉さん来るんでしょ?待ってよーよ」



優希さんの提案に反対する紗夜。


そのことを聞いて、私は口を開いた。



「……私、待ってるから、2人で出店回ってきなよ。せっかくお祭りに来たんだから、一緒に待ってもらってるの、申し訳無いよ……」