知らない人と話すのは抵抗ないのに、どうしても会ったら緊張してしまう。


どうしたら無くなるんだろ、これ。



「あはは!初優、緊張しなくていーよ。冷泉さんから初優の話はたくさん聞いてるみたいだから、テキトーに合わせてれば大丈夫!」


「そうそう」



緊張している私を見て、紗夜は笑い飛ばしてくれた。優希さんの話も少ししてくれて、本人も笑顔で対応してくれた。


なんか遥陽の友達だけあってなんか似てるな……。


一見クールそうだけど話してみると爽やかな感じなところ、よく笑うところ。



「……あの……優希さん。つかぬ事をお聞きしますが、遥陽はまだでしょうか……?一緒に来てないですか?」



他愛もない話をして、数分後。


私は遥陽が来ないことに違和感を覚えた。てっきり、一緒に来ているもんだと思っていたのになかなか姿を現さない。



「あー、遥陽ね。今日の塾、長引いてるんだって。待ち合わせ時間まで間に合いそうって言ってたんだけど、来なくてさ、先に来ちゃった」