『おはよう!今日の夏祭り、すごい楽しみ!初優に久しぶりに会えるから、今日の塾めちゃくちゃ頑張れる!』
スマホを見てみると遥陽からメッセージが届いていた。今日は夏祭りって言っていたのに、塾があるんだ。
前からそのことを知っていたけど、なんだか胸の奥がモヤモヤする。
今日くらい、塾を休んで欲しかったな……。
「まぁ、考えは人それぞれよ。初優は初優らしい恋をしなさい。お母さん、話聞いてあげるから」
スマホを見ているとお母さんは私を見て、にっこりと笑う。
「……それ、お母さんが恋バナしたいだけじゃん」
「あら、気づかれた?」
あはは、という笑い声がキッチンに響く。
お母さんと少し話をしてスッキリした。とにかく、すれ違いは今に始まったことじゃないし、今日は夏祭りを楽しもう。
約1ヶ月ぶりくらいに遥陽に会えるんだよ。
嬉しいに決まってる。
『おはよう。私もすごい楽しみ!今日も塾、頑張ってね!めいいっぱいオシャレして、行くから!』
そう返事を送り、私はスマホを閉じた。