「初優が幸せそうで良かった。高校生の恋愛は今しか出来ないからね。後悔のないようにしなさいよ」
「…………」
お母さんはキッチンの中に入り、洗い物を始める。
お父さんは今日も仕事らしく、先に朝ごはんを食べたみたい。
「ねぇ、お母さん」
「ん?」
「年上の彼氏を持つってやっぱり大変なのかな。学校が違う……とか」
遥陽のことは好き。
だけど最近は向こうは塾や勉強ばっかりで夏休みに入ってからまだ1度もデートはしていない。
歳上で学校も違う、向こうは受験生。
今までは御付き合いが順調すぎて考えてこなかったけど、こうして会えない時間が増えるとどうしても良くない方向に考えてしまう。
「それは……人によるわよねぇ。初優の考えはどうなの?」
「私は……」
どうなんだろう。
このままで大丈夫なんだろうか。そんなことを考えたりはしてしまう。
ーピコン。
お母さんに聞かれて黙り込んでいるとスマホがまた震えた。