冷や汗が背中を伝い、思ったことを言った後にしまった、と口を塞ぐ。
だけどそれはもう手遅れ。
あー……お母さんにやられたな。まだ彼氏のこと、離さないでおこうと決めてたのに。
「やっぱり彼氏いるのね」
「……ごめんなさい」
怒られる、と思って咄嗟に謝った。
別に彼氏がいるくらい怒られないのに、なんか反射的に頭を下げてしまった。だけど嘘をついてしまっていたので、それは謝らなきゃ。
「なんで謝るのよ。初優に彼氏がいること、前から知ってたから別に驚かないわよ」
「え?知ってたの!?」
「知ってたわ。だって、あなた週末、部屋で誰かと電話していたじゃない。声が部屋から漏れて、たまに聞こえていたのよ」
突然のカミングアウトに対応しきれない。
あんぐり、と口を開けてお母さんの話を聞いていた。まさか遥陽との会話を聞かれていたなんて。
は、恥ずかしすぎるっ……!