『あ、ごめん。夏祭りだっけ?いいね!行こうか』
私が名前を呼ぶと慌てたように返事をする遥陽。その事にやっぱりなにか変だ、と違和感を持った。
その違和感は嫌な感じがして、胸の辺りにモヤモヤが広がっていく。だけど私はそのまま話を続けた。
「本当に?大丈夫?塾とか忙しくない?」
『大丈夫大丈夫!ちょうど優希(ゆうき)からも話は聞いていたし』
「そ、そう?」
不安になって大丈夫か、と問いただす。
だけど遥陽は笑って大丈夫だと言った。優希さんは紗夜の彼氏で、遥陽の友達の名前。
話は私からするって言ったのに、やっぱり遥陽に先にしていた。だけどそのおかげで話はしやすくなった。
『優希と紗夜さんとのダブルデートでしょ?俺は全然大丈夫だよ!初優は?優希にはまだ会ったことないみたいだけど、大丈夫?』
私が人見知りなのを知っている遥陽は逆に心配、というふうに話す。
「大丈夫!紗夜もいるし、遥陽もいるから!」