遥陽への想いを伝えるだけで終わるところだった。危ない危ない。
遥陽もなんだか話をしたそうにしている。
「あ、話があるなら遥陽から……」
『いや、大丈夫。それよりもどうした?初優こそ話あるんじゃない?』
遥陽から話すかなと思って遠慮したけど大丈夫と言われた。その言い方というか、なにかありそうな感じに違和感を持ったけど気にしないようにした。
遥陽なら言いたいことはいつも言ってくるし、気のせいだよね。
「あ、じ、じゃあ……夏休み、私の地元で夏祭りあるんだけど、一緒に行きませんか?」
遥陽を誘うのなんていつもやってることなのに緊張してしまって最後は敬語になった。
自分でもよく分からない感情が湧き出てきて。
スマホを握りしめる。
『…………』
「遥陽?」
いつもならすぐに返事をくれるのに、珍しく長い沈黙で、不安になった私は名前を呼ぶ。
ど、どうしよう。
やっぱり、忙しいからダメって言われるかな……。