それをメッセージ交換で見て、紗夜と話していた夏祭りのことを話すかどうか一瞬迷った。
忙しい遥陽にそんな人混みに誘って大丈夫だろうか。勉強に影響が出ないかな。
そんな悩みが一気に溢れてきて。
紗夜には断ろうかなとも思ったほど。だけど夏休みに遥陽と思い出を作りたいと思ったので、今日の電話で話そうと決めた。
前までは毎日メッセージを交換していたけど、それすらもままならない日々になってきて、大学受験の大変さを物語っていた。
遥陽に会いたい、遥陽の声を聞きたい。
そんなことを思いながら眠りにつく日々。急にこんなすれ違いが始まって戸惑っていたけど、これはしょうがないと思っていた。
そしてようやく、今日遥陽と電話ができて、想いが溢れてしまった。
『そんなにって。俺は初優が思ってる以上に好きなんだよ。初優がいるから頑張れるし、どんなことだって乗り越えられる。受験勉強がどんなに辛くても、初優の笑顔を思い出して1人でニヤついてるし……』