久しぶりに遥陽から名前を呼ばれて、きゅうっと胸が甘くなる。最近はお互い忙しくてメッセージもあまり交換していない。


電話なんて半月ぶりくらいで、なんだか不思議な気持ちになった。



「久しぶり……」


『やっと初優の声聞けた。最近すれ違いばっかでろくに話してないもんな……』


「メッセージもなかなか返事こないから、寂しかった。遥陽の声聞けて嬉しい」



寂しかった気持ちが溢れてきて、思わず素直にそう言った。いつもの私なら遠慮して言わないのに。


電話って不思議だなぁ。


思ったことをちゃんと言えるんだから。



『……俺も寂しかった。初優に会って今すぐ抱きしめたいくらい寂しかった』


「そ、そんなに!?」



ぎゅっと目をつむって反応を待っていると予想外というか、そんなに思ってくれていたんだと思わせてくれて、照れくさかった。


夏休みに入る前から遥陽は塾に通い始め、いよいよ本格的に受験勉強が始まったと言っていた。