だけど妹さんは不審な目で私を見ている。


まるで不審者を見るような、そんな目だった。多分私がいることに違和感というか、不思議な気分になったんだろうな。



「こ、こんにちは……」


「小春(こはる)。羽衣初優ちゃんだよ。俺の彼女。よろしくな」



私の挨拶の後に、軽く遥陽が紹介してくれた。


遥陽から改めて“彼女”と言われると照れくさい。きっとこの気持ちはいつまでたっても無くなることはないだろう。



「そうなんだ」


「そうだよ。ほら、早くリビング戻れ。それともなんか用事?」


「いや……兄ちゃん、リビングいなかったし、部屋かなって思って顔を出しただけ……それじゃあ……」



チラチラと私に目をやりながら遥陽と会話をする小春ちゃん。


小春ちゃんは警戒心が強いみたいで、私にはいっさい近づこうとせず、その場にとどまっていた。



「おう。母さんも帰ってるのか?」



小春ちゃんに頷いて遥陽はそう聞いていた。