まるで世界には私たち2人しかいないかのような気持ちになって、周りの音なんて聞こえなかった。
遥陽しか目に入らない。
遥陽のことしか考えていない。
だんだんと顔が近くなり、私はそっと目をつむる。
「初優、愛してる」
「私もです。……んっ……」
遥陽に言われた言葉にキュンとする。
それと同時にくちびるに暖かい温もりを感じた。遥陽のくちびるが、私のくちびるをふさいでいる。
私のファーストキスが、……遥陽で良かった。
胸の奥から愛おしいという気持ちが後から後から溢れてきて、苦しくなった。だけどこの苦しさは幸せでしかなくて、この時間がずっと続いて欲しいと思った。
「……んっ、はる、ひ……大好きだよ……」
「俺も。初優のこと、一生愛するよ……」
1回だけのキスじゃ物足りなくて。
お互いにもっと、もっととくちびるを塞ぎ合わせる。チュ、というリップ音が途切れなく部屋に響いていた。