だけど、くすぐったくて。
遥陽さんの名前が特別に感じた。
「……はぁ、可愛すぎ……」
「へぁ!?遥陽さん!?」
名前を言っただけなのに、遥陽さん……じゃなくて遥陽は、私を強く抱き締めてきた。
肩に顔を埋めて、愛おしそうに優しく強く抱きしめる遥陽は、なんだかいつもより余裕が無さそうだった。
「こら。遥陽さんに戻ってる。さん付け禁止。ね、初優」
「〜〜っ、は、はい!」
抱きしめられてガチガチに緊張していると、不意に自分の名前も呼ばれた。
いつもちゃん付けなのに、呼び捨てで呼ばれて、ドキンと心臓が跳ね上がる。
「ふはっ。緊張しすぎ」
「だ、だって急に抱きしめてくるから……」