「だからね、ここをこうして、この公式を使えば……」
「あっ、そっか。答えはこうだ!」
遥陽さんと勉強を始めてから数十分。
分からないところを丁寧に教えてくれるのでだいぶ勉強が進み、苦手な数学のワークが半分程終わった。
遥陽さんは教えるのが上手くて、すぐに頭の中に苦手な公式ややり方などが入ってくる。
「お、正解。なんだ、初優ちゃんすぐにわかるじゃん。偉いぞー!」
「ちょ、子供扱いしないでくださいよ!」
答えがわかって、正解すると遥陽さんはいたずらっ子のように笑うと私の頭をくしゃくしゃと撫で回す。
なんだか子供扱いされてるみたいで少しムッとする。
だけど、撫でられるのが心地よくてこのために頑張っているところがあるほど、遥陽さんの大きな手が大好きになっていた。
「でもほんと、初優ちゃんは飲み込み早いからすぐに理解してくれるよね。これなら俺と勉強しなくても大丈夫だったんじゃない?」