「……行こうか」
「は、はい……」
お互い恥ずかしいくて、微妙な空気になってしまった。遥陽さんに手を引かれながら黙々と歩き、気づいたら電車に乗っていた。
休日ということもあってか電車の中はたくさんの人でごった返していたけど、なんとか遥陽さんと私は椅子に座れた。
しばらく電車の窓から景色を眺めていると、ふと大事なことに気づく。
「そういえば、今日はどこで勉強するんですか?」
電車に乗ったはいいけど、行先とかは言われてないのでどこに着くのか分からない。
そろそろ教えて欲しいんだけど……。
こっち方面って私行ったことないから不安だ。
「ああ、言ってなかったっけ?今日は俺の家で勉強しよ。誰もいないからちょうどいいし」
「………遥陽さんの、家?」
「そう。いや?」
なんだかとんでもない言葉が聞こえてきてフリーズする。びっくりしすぎて固まってしまう。
遥陽さんは何も疑問を持たず、首を傾げている。