崩れそうになる前髪を整えながら歩く。


無事に駅について、辺りをキョロキョロと見渡すが遥陽さんはまだいなかった。いつも電車で来るから徒歩で向かう私よりもいつも少し遅めに着く。


私ももう少し遅く出てもいいと頭ではわかっているが、ソワソワして落ち着かないのでいつもこんな感じでノート私が先に到着するんだ。


スマホを見ながら遥陽さんを待っていると、



「初優ちゃん!おまたせ」


「遥陽さん!」



前の方から聞き覚えのある声で名前を呼ばれ、顔を上げる。するとそこには遥陽さんがいて、私を見ると笑った。


その笑顔がかっこよくてあっという間に頬が熱くなる。遥陽さんを見るだけで熱くなるなんて、どれだけ好きなんだろう……。



「どうしたの?」


「な、なんでもないです!」



ぼーっとしていたら遥陽さんが顔を覗き込む。


恥ずかしくて思い切り顔を逸らしてしまった。だけど心臓はドキドキと騒がしい。