私ははぁとため息をついた。


これから勉強したらテストまでに間に合うだろうか。夏休みの補習がかかったテストなんて範囲が広いし、どこから手をつけていいか分からなくなる。


去年は確か赤点回避ギリギリで、なんとか補習は免れた。でもそれは2ヶ月くらい前から勉強を始めていたからで、今回ばかりは本当にどうなるか分からない。



「まぁ恋を楽しむのもいいけど勉強もしなよ〜。夏休み補習になったら冷泉さんとどこにも行けないからね。向こうも受験生だし、どうなるか分からないけど」


「確かに……紗夜はいいよね。頭良くて、いつも成績優秀なんだから……。勉強教えてよ〜」



落ち込んでる私をよそに紗夜はお弁当を食べ進める。紗夜が羨ましくてジト目で見つめた。



「やーよ。私だってちゃんと勉強してるんだから。それに、勉強教えるの私は下手って1番よくわかってるじゃない」



私のお願いはあっさりと否定され、そっぽを向かれた。


紗夜は頭はいいけど人に教えたがらない。