私はノートを写しながら、紗夜と話を続けていた。



「確かにそうよね。私がここに受かったのだって奇跡だと思ったもん。制服可愛いから受験したっていうのもあるけど、将来のためならここが1番良かったからね」


「初優って意外と将来のこと考えてここに来てるよね。私なんて家から近いからっていう理由で選んだよ」



あっけらかんとして言っている紗夜。


理由はどんなであれ、紗夜は頭がいいから授業にちゃんとついていけてる。落ちこぼれな私と違ってすごいなと普通に尊敬している。


そんな紗夜にはいつも助けられていて、この前のテストも教えてもらいながら、なんとか補習を免れていたな、なんてことを思い出す。



「でも進学校選んだのすごいよね。紗夜がいなかったら私多分成績終わってたよ」



ノートを移し終わり、ありがとうと言いながら紗夜にノートを返す。紗夜は苦笑いしながら、そんなことないでしょと言った。