ーキーンコーンカーンコーン……。
4時間目終了のチャイムが鳴り響く。
「えー、それじゃあ今日はここまで。ここもテスト範囲になるからしっかり復習してくるように。以上」
数学の先生がチョークを置き、教科書類をまとめて挨拶が終わると教室をそそくさと出ていく。
ありがとうございましたーという緩い声がけと共に始まった昼休み。
だけど、私は授業で追いつかなかった分の板書を必死でやっていた。
「初優ー!お昼ご飯食べよ!」
ノートに必死にまとめていると紗夜がお弁当を持ってきて、目の前の椅子を借りて座る。
「ごめん、先に食べてて!」
「え!初優、まだ板書終わってないの?そろそろ日直が黒板消しちゃうよ?」
「だから急いでるの!だけど分からなくて追いつかないんだよー」
驚く紗夜をよそに半べそをかきながらシャーペンを動かす。だけどそれも間に合わなくて、黒板に書かれた数式や途中の式をあっという間に消されてしまった。