「漆黒羽翼!」
どこからか声が聞こえ、黒色の羽が駆け抜けて行き、オークを捉えて仰向けに転倒させる。
オークが起き上がりネイアに再び襲い掛かるより早く、豪速で放たれた矢がオークの頭を貫通し、そいつは鮮血をまき散らしながら再び仰向けに倒れた。
魔術と矢が飛んできた方を見る。
ネイアが声を上げた。
「レアーさん! ロアネハイネさん!」
聞いた事がある名前。勇者一行に居たハンターと魔術師の名だ。
弓矢で仕留めた女の子は次の矢を構えながら周囲に目を配りながらこちらに近づいてくる。あの時俺と戦った時同様の隙の無い注意力だ。艶やかな短髪の上にピンと立てた獣耳で周囲の音も漏らさず聞いているのだろう。しかしモフっとした狐的な尻尾も同じく立っており、それに関してはネイアとの再会を嬉しく感じているように思えた。
前回の戦いのもなかでは全く気付かなかったが、かなりの巨乳だ。いや、今考える事ではないが、布地を張り裂かんばかりの胸に視線が行ってしまう。
その後ろに続くのは、エルフ耳が特徴的なとんがり帽子を被った魔術師。帽子の下からくしゅくしゅとした緑色の長い髪が流れている。紫色の水晶が付いた杖を持って、いかにもと言った感じ。
ゆったりとしたローブを着ているが、手足の細さから相当な痩身であろうことが窺えた。
二人が居ることに関して、ネイアは全く疑いを持っていなかったが、俺はガンジマルの報復かと思ってしまった。だがそれならあの窮地を救うのは辻褄が合わない。
「お二人ともどうしてここに?」
ネイアは疑問を口にするがレアーはそれどころじゃあないと言ったような口調で返す。
「話はあと! 今はここに居る魔物を片付けるわよ!」
「はい!」
二人の間にロアネハイネが割って入った。
「その前に……、彼は、味方……?」
レアーとは対照的に、囁くような声で言う。
魔人である俺は彼女にとってはかなりグレーゾーンなのだろう。
「味方です。私の命の恩人です」
「そう……。よろしく」
「よろしく」
「じゃ、アンタも手伝いなさい!」
「もちろんだ」
レアーは語調が強いが、可愛らしい声質のためか、命令をされても不快な感じはしなかった。
斧を持った魔物を見つけるとレアーは詠唱を始めた。
目を瞑ると水晶が光始め、その光がかざした掌に吸い込まれていく。
ロアネハイネが弓を構える。
俺は魔剣を構えて距離を詰める。
魔物が斧を振り上げた瞬間、矢がその手を捉える。
怯んだその隙に、跳ね上がって剣で斧を吹き飛ばす。
地面に降り立った時、後方から声が聞こえる。
「爆炎大球!」
それが魔物の胴体に着弾すると同時に燃え上がる。
炎に包まれた魔物は呼吸困難に陥っていた。
このままでは死ぬ。
「水流直射」
指先から水を出して炎を消す。
「時短詠唱!? って、ちょっと何してんのよ! 炎上ダメージ無効にしてんじゃないわよ!」
「お前こそ何をしている。村を燃やす気か」
「あ」
レアーは口を押えて目を丸くした。
「火炎系と地面系の魔術は使うな。村がめちゃくちゃになる。風か水で攻めろ。あと使えるなら氷結系も頼む。敏捷性が高い魔物には有効なはずだ」
図星を指されて悔しかったのか、レアーは無駄に腕をぶんぶん振って憤りを発散していたが、最後には怒る様に了承した。
「解ったわよ!」
それから三人の連携で魔物を撃退しながら、ネイアが村人を非難させていった。
どこからか声が聞こえ、黒色の羽が駆け抜けて行き、オークを捉えて仰向けに転倒させる。
オークが起き上がりネイアに再び襲い掛かるより早く、豪速で放たれた矢がオークの頭を貫通し、そいつは鮮血をまき散らしながら再び仰向けに倒れた。
魔術と矢が飛んできた方を見る。
ネイアが声を上げた。
「レアーさん! ロアネハイネさん!」
聞いた事がある名前。勇者一行に居たハンターと魔術師の名だ。
弓矢で仕留めた女の子は次の矢を構えながら周囲に目を配りながらこちらに近づいてくる。あの時俺と戦った時同様の隙の無い注意力だ。艶やかな短髪の上にピンと立てた獣耳で周囲の音も漏らさず聞いているのだろう。しかしモフっとした狐的な尻尾も同じく立っており、それに関してはネイアとの再会を嬉しく感じているように思えた。
前回の戦いのもなかでは全く気付かなかったが、かなりの巨乳だ。いや、今考える事ではないが、布地を張り裂かんばかりの胸に視線が行ってしまう。
その後ろに続くのは、エルフ耳が特徴的なとんがり帽子を被った魔術師。帽子の下からくしゅくしゅとした緑色の長い髪が流れている。紫色の水晶が付いた杖を持って、いかにもと言った感じ。
ゆったりとしたローブを着ているが、手足の細さから相当な痩身であろうことが窺えた。
二人が居ることに関して、ネイアは全く疑いを持っていなかったが、俺はガンジマルの報復かと思ってしまった。だがそれならあの窮地を救うのは辻褄が合わない。
「お二人ともどうしてここに?」
ネイアは疑問を口にするがレアーはそれどころじゃあないと言ったような口調で返す。
「話はあと! 今はここに居る魔物を片付けるわよ!」
「はい!」
二人の間にロアネハイネが割って入った。
「その前に……、彼は、味方……?」
レアーとは対照的に、囁くような声で言う。
魔人である俺は彼女にとってはかなりグレーゾーンなのだろう。
「味方です。私の命の恩人です」
「そう……。よろしく」
「よろしく」
「じゃ、アンタも手伝いなさい!」
「もちろんだ」
レアーは語調が強いが、可愛らしい声質のためか、命令をされても不快な感じはしなかった。
斧を持った魔物を見つけるとレアーは詠唱を始めた。
目を瞑ると水晶が光始め、その光がかざした掌に吸い込まれていく。
ロアネハイネが弓を構える。
俺は魔剣を構えて距離を詰める。
魔物が斧を振り上げた瞬間、矢がその手を捉える。
怯んだその隙に、跳ね上がって剣で斧を吹き飛ばす。
地面に降り立った時、後方から声が聞こえる。
「爆炎大球!」
それが魔物の胴体に着弾すると同時に燃え上がる。
炎に包まれた魔物は呼吸困難に陥っていた。
このままでは死ぬ。
「水流直射」
指先から水を出して炎を消す。
「時短詠唱!? って、ちょっと何してんのよ! 炎上ダメージ無効にしてんじゃないわよ!」
「お前こそ何をしている。村を燃やす気か」
「あ」
レアーは口を押えて目を丸くした。
「火炎系と地面系の魔術は使うな。村がめちゃくちゃになる。風か水で攻めろ。あと使えるなら氷結系も頼む。敏捷性が高い魔物には有効なはずだ」
図星を指されて悔しかったのか、レアーは無駄に腕をぶんぶん振って憤りを発散していたが、最後には怒る様に了承した。
「解ったわよ!」
それから三人の連携で魔物を撃退しながら、ネイアが村人を非難させていった。