陸斗はしばらくそばにいたけど、途中で諦めて帰っていった。


布団の中。

病室はエアコン管理されているとはいえ、真夏だと熱気がこもって暑苦しい。


「陸斗っ…。うぅ…、ごめん…」


わたしはその中で何度も陸斗に謝り、布団が濡れるほどに涙を流した。


陸斗は何度もお見舞いにきてくれた。

しかし、わたしは会おうとはしなかった。


一度会えば、せっかくのわたしの覚悟が揺らいでしまいそうになるから。


メッセージも返さない。

陸斗の連絡先は削除した。


【わたしたち別れよう】


そんなメッセージを一方的に送りつけたあとに。


お父さんやお母さんにも、別れたから陸斗の話はしないでと言っておいた。


これでいいんだ。

わたしたちは別れたんだから。


付き合うまでにあれだけ時間がかかったというのに、別れるときは一瞬だった。