ごめんね、陸斗。

こんな言い方しかできなくて。


本当は、もっと聞きたい。

でもそれだと、わたしも諦めがつかないから――。


「わたし、検査とかで疲れてるの。できれば、お見舞いもきてほしくないんだけど」

「でも、俺は舞に会いたくて――」

「入院してわかったんだけどさ、わたしって1人が好きみたい。他人といっしょにいると気疲れしちゃうんだよね」

「気疲れって…、彼氏の俺でもか?それに…“他人”って……」

「陸斗は“他人”でしょ?家族でもないのに、今さらなに言ってんの」


わたしは涙は見せない。


だけど、陸斗の目元が潤んでいるのがわかる。

必死に涙をこらえているのが伝わってくる。


「はいはい!もういいかな?そろそろ帰ってよ」

「待てよ、舞――」


わたしは陸斗を睨みつけると、布団を頭から被った。