そして、「よかった…よかった」と涙を流して喜んでくれた。


「それで…。今、陸斗は家にいますか?」

「…ああ、陸斗なら部屋にはいるんだけど…」


陸斗のお母さんは、どこか気まずそうに口ごもる。


「少し前から、陸斗ちょっと様子がおかしくて…」

「え?どこか具合でも悪いんですか…?」

「ううん、そういうのではないんだけど…」


玄関から階段の上をのぞき込む陸斗のお母さん。


「まあ、舞ちゃんに振られてだいぶ堪えてたから…。それで変な冗談言ってるだけだと思うから、どうぞ上がって!」


わたしは首をかしげるも、陸斗のお母さんに招き入れられて上がらせてもらう。

陸斗の家も、もう何回きたことがあるだろうか。


わたしは、迷うことなく2階の陸斗の部屋へと向かう。


コンコン!


「はい」