「舞、おかえり!」

「ただいま!」


だから、こうして2人と笑い合うことができたのも、もういつぶりだろうか。


「そうだ!陸斗くんに、退院の報告してきたら?」

「え…、陸斗?」


陸斗とは別れたきり会ってもいないし、もちろん連絡すら取っていなかった。


「…でも」


陸斗には余命があとわずかなことは話していないけど、きっと今も入院していると思っているはず。


「いいじゃない、久々に会うくらい」


お母さんがそう背中を押すから――。

わたしは勇気を出して、陸斗の家を訪ねた。


「…あら!?舞ちゃん!」


インターホンを押してすぐに出てきたのは、陸斗のお母さん。

陸斗のお母さんは、わたしの病気のすべてを知っている。


だから、奇跡的に病気が完治したと伝えたら、ものすごく驚いていた。