そこで数値があまりよくないからと言われ、再検査。


そして再々検査の末、わたしはある病気に侵されていることが判明する。

しかも、すでに体は蝕まれ、もう手の施しようがない状況まで進行していると。


それを、今聞かされた。


到底、『ああ、はい。そうですか』なんて納得できるわけがない。


もちろんわたしは、その日のうちに即入院。

今後は、投薬治療で病気の進行を遅らせるんだそう。


まるで、なにかのドラマで見たことのあるようなシチュエーションで――。

現実味がないというか、どこか他人事のように感じて涙なんて出なかった。


しかし、入院して数日後――。


「なに…これ」


少し咳き込んだだけで、手のひらに真っ赤な血がついた。

吐血なんて、もちろん生まれて初めてで。


ようやく死を自覚したわたしは、胸の奥からなにかが沸々とあふれ出そうとしているのがわかった。