――その1週間後。

事態は思わぬ展開を迎える。


診察室に呼ばれた、わたしとお父さんとお母さん。

これ以上なにをよくないことを言われるのかと思い、気持ちがどんよりして重かったが――。


「…奇跡だ」


主治医の先生がこれでもかと目を見開けながらわたしたちを見つめる。

ある意味こわいくらいの先生の表情に、わたしたちは困惑する。


「…奇跡が起きました!舞さんの病状が劇的によくなっています!」

「「…えっ!?」」

「1週間前から突然検査の数値がよくなって…。なにかの間違いかと思い何度か再検査を行いましたが、すべての値が正常値に戻っていました」

「それは…つまり……」

「病気が完治したということです」


まるで夢を見ているかのようだった。


なぜなら、病気がよくなったという夢をこれまで何度も見てきたから。