「なんだ、お前?オレがこわくないのか?」

「なんか…想像していた死神と違ったから。もっとボロボロのローブ着て、大鎌持って、顔はガイコツを想像してたから」

「お望みどおりの死神じゃなくて悪かったな」


死神は口を尖らせると、プイッとそっぽを向いた。


「も〜、そんなことでいじけないでよ。…で、死神がきたってことは、そういうことなんだ」

「“そういうこと”って?」

「わたしの残りの命をもらいにきたんでしょ?」


もう少し長く生きられるかなと思っていた。

でも、死神がきてしまったのなら仕方がない。


どうやらわたしの命はここまでのようだ。


静かにそう悟った。

――しかし。


「は?なに言ってんだ、お前」


死神は口をゆがませ、わたしを馬鹿にするように目を向ける。


「…え、違うの?」