奏多達を取り囲む一族の上層部の者達。
彼らはみな、虚ろな眼差しで、とても正気の沙汰とは思えなかった。
ヒューゴの能力。
死んだ者をアンデット、つまり不死者にすることのできるそれは、この状況下でも絶対的な強さを発揮している。
「結愛は、俺にとって大切な存在だ。絶対に守ってみせる!」
奏多は不撓不屈の意思を示す。
結愛を守るために身体を張って前に出た。
「奏多くんが守ってくれる……」
奏多の名を口にするだけで愛おしさがこみ上げる。
同時に切望する思いが広がった。
奏多に伝えたい想いはたくさんある。
これから長い時を一緒に過ごすたびに、それは増えていくのだろう。
「あの、あの、あのですね」
「結愛……?」
その時、結愛が真剣な眼差しで奏多のもとににじり寄ってくる。
そして、顔を上げて願うように言葉を重ねた。
「……奏多くん、これからも好きでいてくれますか? もし、神様の記憶を完全に取り戻したとしても……あの、あの、私のこと、好きでいてくれますか?」
「当たり前だろ」
奏多が発した言葉の意味を理解した瞬間、結愛の顔は火が点いたように熱くなった。
「はううっ。……もう一回、もう一回!」
妙な声を上げながら、身をよじった結愛が催促する。
「今のって、当たり前だろ、ってやつか……」
「うわああ、すごい……幸せです……。も、もう一回!」
「当たり前だろ」
「きゃーっ」
張り詰めていた場の空気が温まる。
この瞳に映る花咲く結愛の笑顔が春の温もりのように感じられて。
奏多は強張っていた表情を緩ませた。
「つーか、このやり取り、いつまでも続きそうだな」
「結愛のことだから、いつまでも続くと思うわ」
戦闘を繰り広げる中で、慧と観月は弟と妹が紡ぐ温かな光景に苦笑する。
奏多と結愛が抱く永久の想い。
その安らぎが、少しでも永くあることを願って。
しかし――。
「俺達の目的は、川瀬奏多様を暴動の現場にお連れすること。それを終えた今、あとは川瀬奏多様の意思を誇示して、『破滅の創世』様のご帰還を諦めてもらうしかないだろう」
ヒューゴ達の思惑は違った。
「それにしても、まさか、此ノ里結愛が『破滅の創世』様に恋をするなんてな……」
奏多は気恥ずかしそうに視線を逸らし、結愛は嬉しそうに奏多のそばに寄り添っている。
世界の命運を握る『破滅の創世』である少年と、『破滅の創世』の記憶を封印した此ノ里家の少女。
そのあまりにも不釣り合いで、だけど、何よりも強い絆で結ばれた二人。
そんな二人を見つめ、ヒューゴは静かに確信を込めてつぶやいた。
彼らはみな、虚ろな眼差しで、とても正気の沙汰とは思えなかった。
ヒューゴの能力。
死んだ者をアンデット、つまり不死者にすることのできるそれは、この状況下でも絶対的な強さを発揮している。
「結愛は、俺にとって大切な存在だ。絶対に守ってみせる!」
奏多は不撓不屈の意思を示す。
結愛を守るために身体を張って前に出た。
「奏多くんが守ってくれる……」
奏多の名を口にするだけで愛おしさがこみ上げる。
同時に切望する思いが広がった。
奏多に伝えたい想いはたくさんある。
これから長い時を一緒に過ごすたびに、それは増えていくのだろう。
「あの、あの、あのですね」
「結愛……?」
その時、結愛が真剣な眼差しで奏多のもとににじり寄ってくる。
そして、顔を上げて願うように言葉を重ねた。
「……奏多くん、これからも好きでいてくれますか? もし、神様の記憶を完全に取り戻したとしても……あの、あの、私のこと、好きでいてくれますか?」
「当たり前だろ」
奏多が発した言葉の意味を理解した瞬間、結愛の顔は火が点いたように熱くなった。
「はううっ。……もう一回、もう一回!」
妙な声を上げながら、身をよじった結愛が催促する。
「今のって、当たり前だろ、ってやつか……」
「うわああ、すごい……幸せです……。も、もう一回!」
「当たり前だろ」
「きゃーっ」
張り詰めていた場の空気が温まる。
この瞳に映る花咲く結愛の笑顔が春の温もりのように感じられて。
奏多は強張っていた表情を緩ませた。
「つーか、このやり取り、いつまでも続きそうだな」
「結愛のことだから、いつまでも続くと思うわ」
戦闘を繰り広げる中で、慧と観月は弟と妹が紡ぐ温かな光景に苦笑する。
奏多と結愛が抱く永久の想い。
その安らぎが、少しでも永くあることを願って。
しかし――。
「俺達の目的は、川瀬奏多様を暴動の現場にお連れすること。それを終えた今、あとは川瀬奏多様の意思を誇示して、『破滅の創世』様のご帰還を諦めてもらうしかないだろう」
ヒューゴ達の思惑は違った。
「それにしても、まさか、此ノ里結愛が『破滅の創世』様に恋をするなんてな……」
奏多は気恥ずかしそうに視線を逸らし、結愛は嬉しそうに奏多のそばに寄り添っている。
世界の命運を握る『破滅の創世』である少年と、『破滅の創世』の記憶を封印した此ノ里家の少女。
そのあまりにも不釣り合いで、だけど、何よりも強い絆で結ばれた二人。
そんな二人を見つめ、ヒューゴは静かに確信を込めてつぶやいた。



