「なるほどな。アゼリアが張っている結界の能力は、被害を抑える効果もあるということか」
その言葉の真意を理解した慧は得心した。
「……慧、どういうこと?」
瞳に強い眼差しを宿した観月は慧を見つめる。
「アゼリアが張っている結界の能力によって、暴動の現場である鍾乳洞は破壊されることもなく保たれている。厳密にいえば、鍾乳洞の範囲だけに絞り、爆風や熱波をその内側だけで相殺し、周囲への巻き込みを防ぐ能力。現状で、ヒューゴ達が、女神の配下達の裏をかくことができる唯一の方法ってわけさ」
「えっ……!」
何処か吹っ切れたような顔をして言う慧の顔を観月は凝視した。
「まぁ、一族の上層部が有している力は厄介な能力ばかりってことだろうな」
慧が苦々しいという顔で語った話に、観月は絶句する。
混乱は治まることはなく、むしろ深まっていた。
「つまり、アゼリアが有している、結界の能力によって、この鍾乳洞は維持されているってこと?」
「そういうことさ」
それはただ事実を述べただけ。
しかし、慧の言葉は、奏多と結愛には額面以上の重みがあった。
「一族の上層部が用いた卑劣な手段によって僅かにできた隙、その隙を突かれて、『破滅の創世』様は記憶を奪われたらしいからな。一族の上層部の上部が有する能力が、厄介なものばかりなのは間違いないだろうな」
「卑劣な手段……?」
確かめるようにつぶやいてから、奏多の眸が驚きの色に変わる。
「『破滅の創世』様の神としての権能の一つである神の加護を手に入れるために用いた手段。ろくでもないのは間違いないだろうな」
神のごとき強制的な支配力。
一族の上層部が有しているその絶大な力は天災さえも支配し、利用することができる。
それは『破滅の創世』の配下達を同じ地に留めないようにすることも可能だ。
「そんな厄介な能力を持っている一族の上層部の上部の連中が、総出で暴動の鎮圧に当たっても対処できないか」
「かなり厄介そうね」
慧の懸念に、透明感のある赤に近い長い髪をなびかせた観月は表情を強張らせる。
不変の魔女、ベアトリーチェ様がこの世界に来ていることで、女神の配下達には神の加護の効果はない。
女神の配下達は有利な条件のまま、戦いを繰り広げることができるだろう――。
「鍾乳洞という戦場で、女神の配下の者達が関わっている暴動の鎮圧に当たる。この一件、想像以上に根が深そうだな」
慧は苦々しいという顔でつぶやいた。
神の配下の力は強大だ。
その上、不老不死である。
何かあれば、勝敗の天秤は神の配下達に傾くだろう。
その言葉の真意を理解した慧は得心した。
「……慧、どういうこと?」
瞳に強い眼差しを宿した観月は慧を見つめる。
「アゼリアが張っている結界の能力によって、暴動の現場である鍾乳洞は破壊されることもなく保たれている。厳密にいえば、鍾乳洞の範囲だけに絞り、爆風や熱波をその内側だけで相殺し、周囲への巻き込みを防ぐ能力。現状で、ヒューゴ達が、女神の配下達の裏をかくことができる唯一の方法ってわけさ」
「えっ……!」
何処か吹っ切れたような顔をして言う慧の顔を観月は凝視した。
「まぁ、一族の上層部が有している力は厄介な能力ばかりってことだろうな」
慧が苦々しいという顔で語った話に、観月は絶句する。
混乱は治まることはなく、むしろ深まっていた。
「つまり、アゼリアが有している、結界の能力によって、この鍾乳洞は維持されているってこと?」
「そういうことさ」
それはただ事実を述べただけ。
しかし、慧の言葉は、奏多と結愛には額面以上の重みがあった。
「一族の上層部が用いた卑劣な手段によって僅かにできた隙、その隙を突かれて、『破滅の創世』様は記憶を奪われたらしいからな。一族の上層部の上部が有する能力が、厄介なものばかりなのは間違いないだろうな」
「卑劣な手段……?」
確かめるようにつぶやいてから、奏多の眸が驚きの色に変わる。
「『破滅の創世』様の神としての権能の一つである神の加護を手に入れるために用いた手段。ろくでもないのは間違いないだろうな」
神のごとき強制的な支配力。
一族の上層部が有しているその絶大な力は天災さえも支配し、利用することができる。
それは『破滅の創世』の配下達を同じ地に留めないようにすることも可能だ。
「そんな厄介な能力を持っている一族の上層部の上部の連中が、総出で暴動の鎮圧に当たっても対処できないか」
「かなり厄介そうね」
慧の懸念に、透明感のある赤に近い長い髪をなびかせた観月は表情を強張らせる。
不変の魔女、ベアトリーチェ様がこの世界に来ていることで、女神の配下達には神の加護の効果はない。
女神の配下達は有利な条件のまま、戦いを繰り広げることができるだろう――。
「鍾乳洞という戦場で、女神の配下の者達が関わっている暴動の鎮圧に当たる。この一件、想像以上に根が深そうだな」
慧は苦々しいという顔でつぶやいた。
神の配下の力は強大だ。
その上、不老不死である。
何かあれば、勝敗の天秤は神の配下達に傾くだろう。



