「慧にーさん、今度は向こうから攻撃が来る!」
「ちっ!」
奏多がそう呼びかけた途端、上空から無数の光の槍が降り注いでくる。
ビオラが宙に顕現させた数多の氷の槍を地上に投擲(とうてき)させたのだ。
『破滅の創世』が定めし世界を歪めた一族の者達から、『破滅の創世』を救い出す。
この世界の淀んだ流れを正すべく天に還すために――。
唐突に終わったヒューゴ達との対峙は、すぐに新たな女神の配下達との戦いを生み出しただけだった。
青く染め上がった鍾乳洞。
氷ついた灯は遥か越えて、神の調べを奏でる。
女神の配下達の動きは、奏多達の――そして『境界線機関』の者達の想像とは一線を画していた。
この強靭な猛撃をまともに浴びれば、慧達は瞬時に消滅してしまうだろう。
だが――。
無数の氷の槍が地上に降り注ぐ前に、その間にまばゆい閃光がほとぼしる。
「そうはさせるかよ!」
奏多が事前に、不可視のピアノの鍵盤のようなものを宙に顕現させて鍵盤を弾いていたのだ。
青い光からなるのは音色の堅牢(けんろう)堅固(けんご)な盾。
その彼なりの極致は光の槍を弾いていく。
「続けて行きますよ! 降り注ぐは氷の裁き……!!」
氷塊の連射が織り成したところで、結愛は渾身の反攻を叩き込む。
瞬時に、氷気が爆発的な力とともに炸裂した。
「大丈夫か、結愛」
「はい、奏多くん」
奏多と結愛は会話を交わすことで、感謝の念と次なる連携を察し合う。
「はううっ、好きな人と一緒に戦うっていいですね。世界が変わるんです。戦うことが怖くても、奏多くんが傍にいるだけで勇気が湧いてきます!」
奏多の傍にいるだけで、甘く優しい幸福に満たされる。
ふわりと色とりどりの色彩が、結愛の胸中を包み込む。
女神の配下達との戦闘による惨状は想定以上だった。
それでも、戦闘は激しいものになっていた。
『一族の上層部』側も、相当な戦力を投入していたことが伺える。
暴動の現場である鍾乳洞。
それは今この時の世界において、もっとも人々の興味を集める場所と言えるかも知れない。
「よぉ、おまえら、生きているか?」
「ヒューゴ、俺達の援護もしろよ」
ヒューゴのその問いかけに――応えたのは不満そうなルーカスだった。
「仕方ないだろう。俺の『攻撃を無効化する能力』は、俺自身しか効果がないんだからな」
ヒューゴの率直な物言いに、ルーカスはその唇に「それでも、手助けくらいしろよ」と純粋な言葉を形取らせた。
「おまえらこそ、よく今まであの攻撃に耐えられたな」
「アゼリアがこの鍾乳洞を保つために、結界を張っている。そのおかげで生き延びられた」
「アゼリアの能力か。それは凄まじいねぇ」
ルーカスの苦渋のつぶやきに、ヒューゴは愉快そうに笑んだ。
「ちっ!」
奏多がそう呼びかけた途端、上空から無数の光の槍が降り注いでくる。
ビオラが宙に顕現させた数多の氷の槍を地上に投擲(とうてき)させたのだ。
『破滅の創世』が定めし世界を歪めた一族の者達から、『破滅の創世』を救い出す。
この世界の淀んだ流れを正すべく天に還すために――。
唐突に終わったヒューゴ達との対峙は、すぐに新たな女神の配下達との戦いを生み出しただけだった。
青く染め上がった鍾乳洞。
氷ついた灯は遥か越えて、神の調べを奏でる。
女神の配下達の動きは、奏多達の――そして『境界線機関』の者達の想像とは一線を画していた。
この強靭な猛撃をまともに浴びれば、慧達は瞬時に消滅してしまうだろう。
だが――。
無数の氷の槍が地上に降り注ぐ前に、その間にまばゆい閃光がほとぼしる。
「そうはさせるかよ!」
奏多が事前に、不可視のピアノの鍵盤のようなものを宙に顕現させて鍵盤を弾いていたのだ。
青い光からなるのは音色の堅牢(けんろう)堅固(けんご)な盾。
その彼なりの極致は光の槍を弾いていく。
「続けて行きますよ! 降り注ぐは氷の裁き……!!」
氷塊の連射が織り成したところで、結愛は渾身の反攻を叩き込む。
瞬時に、氷気が爆発的な力とともに炸裂した。
「大丈夫か、結愛」
「はい、奏多くん」
奏多と結愛は会話を交わすことで、感謝の念と次なる連携を察し合う。
「はううっ、好きな人と一緒に戦うっていいですね。世界が変わるんです。戦うことが怖くても、奏多くんが傍にいるだけで勇気が湧いてきます!」
奏多の傍にいるだけで、甘く優しい幸福に満たされる。
ふわりと色とりどりの色彩が、結愛の胸中を包み込む。
女神の配下達との戦闘による惨状は想定以上だった。
それでも、戦闘は激しいものになっていた。
『一族の上層部』側も、相当な戦力を投入していたことが伺える。
暴動の現場である鍾乳洞。
それは今この時の世界において、もっとも人々の興味を集める場所と言えるかも知れない。
「よぉ、おまえら、生きているか?」
「ヒューゴ、俺達の援護もしろよ」
ヒューゴのその問いかけに――応えたのは不満そうなルーカスだった。
「仕方ないだろう。俺の『攻撃を無効化する能力』は、俺自身しか効果がないんだからな」
ヒューゴの率直な物言いに、ルーカスはその唇に「それでも、手助けくらいしろよ」と純粋な言葉を形取らせた。
「おまえらこそ、よく今まであの攻撃に耐えられたな」
「アゼリアがこの鍾乳洞を保つために、結界を張っている。そのおかげで生き延びられた」
「アゼリアの能力か。それは凄まじいねぇ」
ルーカスの苦渋のつぶやきに、ヒューゴは愉快そうに笑んだ。



