「一族の上層部の者達はやはり、奏多様達を早く、暴動の現場にお連れしたいのか。恐らく、暴動を止められるのは奏多様だけだと確信しているのだろうな」
本来なら『破滅の創世』である奏多を、暴動の現場に踏み入れさせるべきではないかもしれない。
それでも、司は奏多と結愛の意思を尊重した。
信じるに足る光を、司は奏多達の中に見たのだから。
「ふー、奏多くん。暴動の現場にようやくたどり着きましたよ」
巨大な鍾乳洞の前で、結愛は大きく伸びをする。
「意外な場所すぎて、驚いてしまいましたよ」
「本当だな」
結愛の言い分に、奏多は途方に暮れたようにため息を吐いた。
「だけど、暴動の現場なのに、破壊の跡が見られないな」
「はい。鍾乳洞の奥はすっごーく果てしないです!」
奏多の戸惑いに元気の良い返事が返ってくる。結愛の食いつきが半端ない。
「さささ、どうぞどうぞ、奏多くん。鍾乳洞の案内は任せてください」
目標が定まったことで、結愛は熱い意気込みを見せた。
「あら、結愛は元気いっぱいね」
元気溌剌な結愛の――妹の様子に、観月は満足げな表情を浮かべる。
幼い頃、世界のあらゆることに怯えていた妹は、今ではいつだって勢いで奏多のもとに走って行く。
躊躇うことだって知らない彼女はまっすぐに生きているのだ。
だからこそ、観月が心配になることは多い。
「でもね、結愛。鍾乳洞に入ったことはないから、きっと迷うと思うわ」
「ううぅ……厳しいです」
観月の念押しに、結愛はしょんぼりと意気消沈する。
「いいのか? 鍾乳洞の中は罠だらけだ。奏多様に危害を加えることになっても」
「そんなわけねぇだろう……!」
ヒューゴの冷ややかな言葉に、慧は銃口を向けて断言した。
奏多達を救うために。
もう、逃げ出してはならないと慧は知っているから。
「だったら、このまま着いてこいよ!」
一族の上層部の上部の一人、ヒューゴは鍾乳洞の案内人に適していた。
ヒューゴは、一族の上層部から暴動の現場についての情報をある程度、得ている。
「奏多様、こちらです」
「結愛、行こう!」
「はい、奏多くん。今度は絶対に道を間違えませんよ」
司達、『境界線機関』の者達も、奏多と結愛の身を護りながら鍾乳洞の奥へ突き進む。
「奏多くん、この道から、一気に奥に行けるみたいですよ」
結愛が指差す先を見据えれば、天井にぶら下がる鍾乳石が見えてくる。
「かなり広そうだな……」
「はい、奏多くん」
奏多と結愛は自然が生み出した多様な造形美を間近で見て感動した。
本来なら『破滅の創世』である奏多を、暴動の現場に踏み入れさせるべきではないかもしれない。
それでも、司は奏多と結愛の意思を尊重した。
信じるに足る光を、司は奏多達の中に見たのだから。
「ふー、奏多くん。暴動の現場にようやくたどり着きましたよ」
巨大な鍾乳洞の前で、結愛は大きく伸びをする。
「意外な場所すぎて、驚いてしまいましたよ」
「本当だな」
結愛の言い分に、奏多は途方に暮れたようにため息を吐いた。
「だけど、暴動の現場なのに、破壊の跡が見られないな」
「はい。鍾乳洞の奥はすっごーく果てしないです!」
奏多の戸惑いに元気の良い返事が返ってくる。結愛の食いつきが半端ない。
「さささ、どうぞどうぞ、奏多くん。鍾乳洞の案内は任せてください」
目標が定まったことで、結愛は熱い意気込みを見せた。
「あら、結愛は元気いっぱいね」
元気溌剌な結愛の――妹の様子に、観月は満足げな表情を浮かべる。
幼い頃、世界のあらゆることに怯えていた妹は、今ではいつだって勢いで奏多のもとに走って行く。
躊躇うことだって知らない彼女はまっすぐに生きているのだ。
だからこそ、観月が心配になることは多い。
「でもね、結愛。鍾乳洞に入ったことはないから、きっと迷うと思うわ」
「ううぅ……厳しいです」
観月の念押しに、結愛はしょんぼりと意気消沈する。
「いいのか? 鍾乳洞の中は罠だらけだ。奏多様に危害を加えることになっても」
「そんなわけねぇだろう……!」
ヒューゴの冷ややかな言葉に、慧は銃口を向けて断言した。
奏多達を救うために。
もう、逃げ出してはならないと慧は知っているから。
「だったら、このまま着いてこいよ!」
一族の上層部の上部の一人、ヒューゴは鍾乳洞の案内人に適していた。
ヒューゴは、一族の上層部から暴動の現場についての情報をある程度、得ている。
「奏多様、こちらです」
「結愛、行こう!」
「はい、奏多くん。今度は絶対に道を間違えませんよ」
司達、『境界線機関』の者達も、奏多と結愛の身を護りながら鍾乳洞の奥へ突き進む。
「奏多くん、この道から、一気に奥に行けるみたいですよ」
結愛が指差す先を見据えれば、天井にぶら下がる鍾乳石が見えてくる。
「かなり広そうだな……」
「はい、奏多くん」
奏多と結愛は自然が生み出した多様な造形美を間近で見て感動した。



