『境界線機関』が警護に当たっている状況。
とはいえ、いずれは女神様の配下達の妨害によって、目的の遂行は阻まれてしまうだろう。
それに慧と観月は一族の上層部に逆らうことができない理由がある。
「まぁ、ヒューゴにこの場を任せているのも、俺達が一族の上層部に逆らえねぇことを踏まえてのことだろうしな」
「奏多様を護るための一番の障害は、私達かもしれないわね」
それはただ事実を述べただけ。
だからこそ、余計に慧と観月は自身の置かれた状況に打ちのめされる。
神の力を行使できる今の奏多が完全に『破滅の創世』の記憶を取り戻そうとする可能性よりも、実際は一族の上層部が彼らを脅すためにそれを盾にしてくる可能性の方が高かった。
慧を蘇えらせて不死者にして利用したのはヒューゴだ。
慧の命は、ヒューゴが握っていると言って過言ではない
そして観月は、いまだ親友のまどかの洗脳が解けていない。
『境界線機関』の方で模索しているが、洗脳を解く方法は見つからないまま――。
奏多達の胸中は混迷をきわめていた。
「とにかく、ヒューゴ達を警戒しながら、暴動の現場まで行くしかないな!」
慧は強い瞳で観月を見据える。
それは深い絶望に塗れながらも、前に進む決意を湛えた眸だった。
一族の上層部の策謀。
何一つ連中の思いどおりなど、させてやるものかと。
「ええ……もちろんよ……」
他に言葉は不要とばかりに、観月は優しい表情を浮かべていた。
二人の誓いはたった一つ。
奏多と結愛を護るためにこの状況を打開すること――一族の上層部の野望を挫(くじ)くために絶望の未来になる連鎖を断ち切ることだ。
「決められた運命なんかに絶対に負けたくないもの!」
観月の覚悟が決まる。
ここにいるみんなで神の加護に本気で抗う。
そして、『破滅の創世』の神意に立ち向かう。
観月は信じている。
奇跡が起こることを。
奏多達が定められた運命を壊してくれることを。
「たとえ、女神の配下達が立ち塞がってきても、私達は奏多様を守ってみせる……」
拳を握り締めた観月は手加減はしないと意を決した。
「……ふむ。それでは出発しましょう。再び、『破滅の創世』の配下達が襲ってこないとは限りませんから」
一族の上層部の一人は、観月達がそう言うのを待ち望んでいたように微笑んだ。
「……『破滅の創世』の配下達」
一族の上層部の者達の最後の言葉は、奏多の瞳を揺らがせるのに十分すぎた。
観月は不安を端的に表した。
「司、どう思う?」
「当然、一族の上層部の者達は、この状況を利用してくるだろうな。だが、無下にはできない。女神の配下達、一族の上層部、どちらも相手にするのは分が悪すぎる」
恐らく、司の言葉は本心だろう。
司を始め、『境界線機関』の者達は一族の上層部を毛嫌いしている。
だが、しかし、その働きに感謝をせぬような無礼者でもなかった。
とはいえ、いずれは女神様の配下達の妨害によって、目的の遂行は阻まれてしまうだろう。
それに慧と観月は一族の上層部に逆らうことができない理由がある。
「まぁ、ヒューゴにこの場を任せているのも、俺達が一族の上層部に逆らえねぇことを踏まえてのことだろうしな」
「奏多様を護るための一番の障害は、私達かもしれないわね」
それはただ事実を述べただけ。
だからこそ、余計に慧と観月は自身の置かれた状況に打ちのめされる。
神の力を行使できる今の奏多が完全に『破滅の創世』の記憶を取り戻そうとする可能性よりも、実際は一族の上層部が彼らを脅すためにそれを盾にしてくる可能性の方が高かった。
慧を蘇えらせて不死者にして利用したのはヒューゴだ。
慧の命は、ヒューゴが握っていると言って過言ではない
そして観月は、いまだ親友のまどかの洗脳が解けていない。
『境界線機関』の方で模索しているが、洗脳を解く方法は見つからないまま――。
奏多達の胸中は混迷をきわめていた。
「とにかく、ヒューゴ達を警戒しながら、暴動の現場まで行くしかないな!」
慧は強い瞳で観月を見据える。
それは深い絶望に塗れながらも、前に進む決意を湛えた眸だった。
一族の上層部の策謀。
何一つ連中の思いどおりなど、させてやるものかと。
「ええ……もちろんよ……」
他に言葉は不要とばかりに、観月は優しい表情を浮かべていた。
二人の誓いはたった一つ。
奏多と結愛を護るためにこの状況を打開すること――一族の上層部の野望を挫(くじ)くために絶望の未来になる連鎖を断ち切ることだ。
「決められた運命なんかに絶対に負けたくないもの!」
観月の覚悟が決まる。
ここにいるみんなで神の加護に本気で抗う。
そして、『破滅の創世』の神意に立ち向かう。
観月は信じている。
奇跡が起こることを。
奏多達が定められた運命を壊してくれることを。
「たとえ、女神の配下達が立ち塞がってきても、私達は奏多様を守ってみせる……」
拳を握り締めた観月は手加減はしないと意を決した。
「……ふむ。それでは出発しましょう。再び、『破滅の創世』の配下達が襲ってこないとは限りませんから」
一族の上層部の一人は、観月達がそう言うのを待ち望んでいたように微笑んだ。
「……『破滅の創世』の配下達」
一族の上層部の者達の最後の言葉は、奏多の瞳を揺らがせるのに十分すぎた。
観月は不安を端的に表した。
「司、どう思う?」
「当然、一族の上層部の者達は、この状況を利用してくるだろうな。だが、無下にはできない。女神の配下達、一族の上層部、どちらも相手にするのは分が悪すぎる」
恐らく、司の言葉は本心だろう。
司を始め、『境界線機関』の者達は一族の上層部を毛嫌いしている。
だが、しかし、その働きに感謝をせぬような無礼者でもなかった。



