「なら、俺達はそれを利用させてもらうとするかねぇ」
それを聞いたヒューゴは、喜ばしいとばかりに笑んでいる。
「不死のヒューゴ、俺達は、おまえも敵として見なしている」
「ああ、分かっている。だが、俺達が案内することを、『境界線機関』のリーダー様は無下にすることはできない。今、この場で別世界の者達、一族の上層部、どちらも相手にするのは分が悪すぎる。『境界線機関』のリーダー様はそう思っているだろうからな」
ヒューゴの的確な指摘に、司は渋い表情を見せる。
「なあ、此ノ里結愛。おまえはどう思う?」
「ほええ……!」
ヒューゴの突然の矛先の変更に、結愛はどうしたらいいのか分からず、あわてふためく。
「女神の配下、そして別世界の者達の力は強大だ。おまえの大好きな幼なじみを守り抜くためには、ここは一時休戦した方がいいんじゃないか。そう思わねぇ?」
「はううっ、それは……」
ヒューゴの指摘に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。
「暴動を切り抜ければ、俺はおまえ達とは別行動を取ると約束する」
「――白々しいな」
ヒューゴのその問いかけに――応えたのは司だった。
「別行動するつもりはないだろう」
司の率直な物言いに、ヒューゴはその唇に「即答だな」と純粋な言葉を形取らせた。
「雄飛司。おまえの情に熱いところは、いつか本当に命取りになるぜ。まあ、俺はここで死ぬつもりはないから、できる限りの揺さぶりをかけさせてもらう」
現状を把握したヒューゴは唇を噛む。
このまま、悪戯に時間を消費しても平行線だ。
何もしなくては、一族の上層部は女神の配下達の前に為す術もなく朽ち果てるだけだろう。
ならば、機先を制した方が確かだ。
「雄飛司。おまえにとっても、浅湖慧は大切な存在だろう? ここで、俺が非業の死を迎えたら、浅湖慧も死ぬけど、いいのかよ?」
「……っ」
ヒューゴが苦々しいという顔で語った問いかけに、司は絶句する。
「自分達の目的のために、俺達の心を利用する。随分と悪辣な手口だな。まぁ、一族の上層部らしいやり方だけどな」
「厄介ね」
この世の悪意を凝集したような一族の上層部のやり方に、司だけではなく、慧と観月も激しい嫌悪を覚えたのは間違いない。
「厄介? それはお互い様だろう? 今、この場にいる全員が出方を見計らっているんだからな」
ヒューゴは愉快そうに声を弾ませる。
無限の力を持つ神の加護を得る方法、数多の世界そのものを改変させることが可能な全知全能の神――『破滅の創世』を手中に収める方法の確立は一族の上層部からすれば『悲願』と言えた。
それを聞いたヒューゴは、喜ばしいとばかりに笑んでいる。
「不死のヒューゴ、俺達は、おまえも敵として見なしている」
「ああ、分かっている。だが、俺達が案内することを、『境界線機関』のリーダー様は無下にすることはできない。今、この場で別世界の者達、一族の上層部、どちらも相手にするのは分が悪すぎる。『境界線機関』のリーダー様はそう思っているだろうからな」
ヒューゴの的確な指摘に、司は渋い表情を見せる。
「なあ、此ノ里結愛。おまえはどう思う?」
「ほええ……!」
ヒューゴの突然の矛先の変更に、結愛はどうしたらいいのか分からず、あわてふためく。
「女神の配下、そして別世界の者達の力は強大だ。おまえの大好きな幼なじみを守り抜くためには、ここは一時休戦した方がいいんじゃないか。そう思わねぇ?」
「はううっ、それは……」
ヒューゴの指摘に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。
「暴動を切り抜ければ、俺はおまえ達とは別行動を取ると約束する」
「――白々しいな」
ヒューゴのその問いかけに――応えたのは司だった。
「別行動するつもりはないだろう」
司の率直な物言いに、ヒューゴはその唇に「即答だな」と純粋な言葉を形取らせた。
「雄飛司。おまえの情に熱いところは、いつか本当に命取りになるぜ。まあ、俺はここで死ぬつもりはないから、できる限りの揺さぶりをかけさせてもらう」
現状を把握したヒューゴは唇を噛む。
このまま、悪戯に時間を消費しても平行線だ。
何もしなくては、一族の上層部は女神の配下達の前に為す術もなく朽ち果てるだけだろう。
ならば、機先を制した方が確かだ。
「雄飛司。おまえにとっても、浅湖慧は大切な存在だろう? ここで、俺が非業の死を迎えたら、浅湖慧も死ぬけど、いいのかよ?」
「……っ」
ヒューゴが苦々しいという顔で語った問いかけに、司は絶句する。
「自分達の目的のために、俺達の心を利用する。随分と悪辣な手口だな。まぁ、一族の上層部らしいやり方だけどな」
「厄介ね」
この世の悪意を凝集したような一族の上層部のやり方に、司だけではなく、慧と観月も激しい嫌悪を覚えたのは間違いない。
「厄介? それはお互い様だろう? 今、この場にいる全員が出方を見計らっているんだからな」
ヒューゴは愉快そうに声を弾ませる。
無限の力を持つ神の加護を得る方法、数多の世界そのものを改変させることが可能な全知全能の神――『破滅の創世』を手中に収める方法の確立は一族の上層部からすれば『悲願』と言えた。



