「俺達が、ここで食い止めるからだ」
司は感情を交えず、ただ事実だけを口にする。
「もう……厄介な攻撃だね!」
戦闘機は対空レーザーミサイルで攻撃し、高速で飛行していたアルリットの動きを妨げた。
奏多を拠点に連れていくことが、次第に困難になりつつある時。
上空から次々と小型、軽量化した戦闘機が、リディア達に迫る。
「理解できないな。この程度でわたし達を食い止められると思っているとは。人の行動は理解に苦しむ……くっ!」
「……っ」
だが、戦闘機の動きはリディアとヒュムノスの想像とは一線を画していた。
援軍に来た戦闘機は、単なる空対空戦闘能力に長けた軍用機ではない。
その真骨頂は対地、対空攻撃、いずれも対応できることだ。
「悪いな。たとえ、敵の実力に圧倒されてもな。俺達はこの戦いを諦める気はないぜ」
それは司が示した確かな信念だった。
悪意に晒されながらも、それでも乗り越えて進むしかない……と言うように。
「まあ、いいでしょう。『境界線機関』のリーダーの意思に免じて、この場は去ります」
随分と物腰丁寧な仕草でレンは礼をする。大仰に両の腕を広げながら。
「ですが――」
「なっ……?」
レンは奏多の前で膝をつく。
それはさながら、騎士の示す臣従の礼のようだった。
「『破滅の創世』様、必ずや次こそは一族の者の手からお救いいたします」
レンが発した決意の言葉は、刹那の迷いすらなかった。
「『破滅の創世』様の記憶は、いずれお戻りになられます。そのことを決してお忘れなく」
一見すれば非常に温和なようにも感じるが、レンの胸中には一族の者への形容しがたい怒りがある。
殺意の一言で説明できないほど、その感情は深く深く渦巻いていたから。
「この世界が滅ぶ。だから、何だというのでしょうか。全ては『破滅の創世』様だけで充分です……。私達にとって、それ以外の者はいてもいなくても関係ない」
レンの信の行く果てに、司達の想いは相容れない。
「願わくは次にお会いする時は、『破滅の創世』様の神のご意志が戻ることを――」
『破滅の創世』の配下達は、『破滅の創世』の存在とともに在る。
死、消滅、終焉……。
形容しがたい『終わり』の気配とともに、だ。
「レン。『境界線機関』と一族の上層部は、わらわ達と反旗を翻したわらわの配下達を合流させたくないようじゃな」
ベアトリーチェはふわりと表情を花咲かせる。
「ふむ……。ならば、『境界線機関』の者達のお手並みを拝見しようかのう」
うっとりと笑ったベアトリーチェの頬に朱の色が昇った。
『不変』を意味するその名を有したベアトリーチェは女神である。
状況を手繰りながらも、前線に飛び出すのはあくまでも興味本位と信じるが故だ。
司は感情を交えず、ただ事実だけを口にする。
「もう……厄介な攻撃だね!」
戦闘機は対空レーザーミサイルで攻撃し、高速で飛行していたアルリットの動きを妨げた。
奏多を拠点に連れていくことが、次第に困難になりつつある時。
上空から次々と小型、軽量化した戦闘機が、リディア達に迫る。
「理解できないな。この程度でわたし達を食い止められると思っているとは。人の行動は理解に苦しむ……くっ!」
「……っ」
だが、戦闘機の動きはリディアとヒュムノスの想像とは一線を画していた。
援軍に来た戦闘機は、単なる空対空戦闘能力に長けた軍用機ではない。
その真骨頂は対地、対空攻撃、いずれも対応できることだ。
「悪いな。たとえ、敵の実力に圧倒されてもな。俺達はこの戦いを諦める気はないぜ」
それは司が示した確かな信念だった。
悪意に晒されながらも、それでも乗り越えて進むしかない……と言うように。
「まあ、いいでしょう。『境界線機関』のリーダーの意思に免じて、この場は去ります」
随分と物腰丁寧な仕草でレンは礼をする。大仰に両の腕を広げながら。
「ですが――」
「なっ……?」
レンは奏多の前で膝をつく。
それはさながら、騎士の示す臣従の礼のようだった。
「『破滅の創世』様、必ずや次こそは一族の者の手からお救いいたします」
レンが発した決意の言葉は、刹那の迷いすらなかった。
「『破滅の創世』様の記憶は、いずれお戻りになられます。そのことを決してお忘れなく」
一見すれば非常に温和なようにも感じるが、レンの胸中には一族の者への形容しがたい怒りがある。
殺意の一言で説明できないほど、その感情は深く深く渦巻いていたから。
「この世界が滅ぶ。だから、何だというのでしょうか。全ては『破滅の創世』様だけで充分です……。私達にとって、それ以外の者はいてもいなくても関係ない」
レンの信の行く果てに、司達の想いは相容れない。
「願わくは次にお会いする時は、『破滅の創世』様の神のご意志が戻ることを――」
『破滅の創世』の配下達は、『破滅の創世』の存在とともに在る。
死、消滅、終焉……。
形容しがたい『終わり』の気配とともに、だ。
「レン。『境界線機関』と一族の上層部は、わらわ達と反旗を翻したわらわの配下達を合流させたくないようじゃな」
ベアトリーチェはふわりと表情を花咲かせる。
「ふむ……。ならば、『境界線機関』の者達のお手並みを拝見しようかのう」
うっとりと笑ったベアトリーチェの頬に朱の色が昇った。
『不変』を意味するその名を有したベアトリーチェは女神である。
状況を手繰りながらも、前線に飛び出すのはあくまでも興味本位と信じるが故だ。



