慧達の連携攻撃は、『破滅の創世』の配下の者達を退かせる有効打にはならない。
それでも、慧達の猛攻は苛烈さを増していく。
「行くぜ、観月。俺達が前に突き進むためにも……力を貸してくれ!」
慧は強い瞳で前を見据える。
それは深い絶望に塗(まみ)れながらも前に進む決意を湛えた眸だった。
何一つ連中の思いどおりなど、させてやるものかと。
「当然ね」
他に言葉は不要とばかりに、観月は優しい表情を浮かべていた。
二人の誓いはたった一つ。
奏多と結愛を護るために、この状況を打開することだ。
「『破滅の創世』様……」
しかし、レンは慧達の屈指の妨害よりも、奏多の意向を確かめたいと願っていた。
「……今の『破滅の創世』様は、此ノ里家の者達によって記憶を奪われています。その影響で、一族の者に加担させられております」
「……っ」
そう吐露したレンは、ただ一心に奏多を見つめる。
――胸に抱く哀愁にも似た感情を、瞳に宿しながら。
「どうか思い出してください。一族の上層部の愚行を。そして、一族の者達への憎悪を」
かって三人の神のうち、最強の力を持つとされる神『破滅の創世』が記憶を封じられ、ただの人間に成り果てている。
かっての『破滅の創世』の姿が、レンの脳裏を掠めた。
「私は『破滅の創世』様の無念を晴らしたいのです。どうか、お戻りください」
「わらわとしてもいい加減、『破滅の創世』に記憶を取り戻してもらわないと困るのう。今、世界すべてが混乱して、わらわ達だけでは手が足りぬ」
レンの宣誓に呼応するように、ベアトリーチェは喜ばしいとばかりに笑んでいる。
奏多の――『破滅の創世』の記憶が戻るのを待ちわびるように。
そんな戦況を、ヒューゴは楽しげに眺めていた。
「ヒューゴ様」
「『破滅の創世』の配下の者達は、川瀬奏多様だけではなく、此ノ里結愛の動向にも目を向けている」
一族の上層部の者が差し出した傷薬に、ヒューゴはやれやれと肩をすくめる。
「どうなるか、ひやひやしたが、何とか時間を稼ぐことができそうだな」
ヒューゴの狙いは、『破滅の創世』の配下の者達を別の目的に目を向けさせることだった。
だが、あくまでも『破滅の創世』の配下の者達は、『破滅の創世』のために動いている。
そんな彼らの目を向けさせる方法は限られてくる。
奏多以外では、『破滅の創世』の記憶を封印した此ノ里家の者。
強いていえば、奏多の幼なじみの結愛だった。
結愛の恋心。
『破滅の創世』の配下の者達は、結愛が奏多へ抱く感情に躍起になっている。
それでも、慧達の猛攻は苛烈さを増していく。
「行くぜ、観月。俺達が前に突き進むためにも……力を貸してくれ!」
慧は強い瞳で前を見据える。
それは深い絶望に塗(まみ)れながらも前に進む決意を湛えた眸だった。
何一つ連中の思いどおりなど、させてやるものかと。
「当然ね」
他に言葉は不要とばかりに、観月は優しい表情を浮かべていた。
二人の誓いはたった一つ。
奏多と結愛を護るために、この状況を打開することだ。
「『破滅の創世』様……」
しかし、レンは慧達の屈指の妨害よりも、奏多の意向を確かめたいと願っていた。
「……今の『破滅の創世』様は、此ノ里家の者達によって記憶を奪われています。その影響で、一族の者に加担させられております」
「……っ」
そう吐露したレンは、ただ一心に奏多を見つめる。
――胸に抱く哀愁にも似た感情を、瞳に宿しながら。
「どうか思い出してください。一族の上層部の愚行を。そして、一族の者達への憎悪を」
かって三人の神のうち、最強の力を持つとされる神『破滅の創世』が記憶を封じられ、ただの人間に成り果てている。
かっての『破滅の創世』の姿が、レンの脳裏を掠めた。
「私は『破滅の創世』様の無念を晴らしたいのです。どうか、お戻りください」
「わらわとしてもいい加減、『破滅の創世』に記憶を取り戻してもらわないと困るのう。今、世界すべてが混乱して、わらわ達だけでは手が足りぬ」
レンの宣誓に呼応するように、ベアトリーチェは喜ばしいとばかりに笑んでいる。
奏多の――『破滅の創世』の記憶が戻るのを待ちわびるように。
そんな戦況を、ヒューゴは楽しげに眺めていた。
「ヒューゴ様」
「『破滅の創世』の配下の者達は、川瀬奏多様だけではなく、此ノ里結愛の動向にも目を向けている」
一族の上層部の者が差し出した傷薬に、ヒューゴはやれやれと肩をすくめる。
「どうなるか、ひやひやしたが、何とか時間を稼ぐことができそうだな」
ヒューゴの狙いは、『破滅の創世』の配下の者達を別の目的に目を向けさせることだった。
だが、あくまでも『破滅の創世』の配下の者達は、『破滅の創世』のために動いている。
そんな彼らの目を向けさせる方法は限られてくる。
奏多以外では、『破滅の創世』の記憶を封印した此ノ里家の者。
強いていえば、奏多の幼なじみの結愛だった。
結愛の恋心。
『破滅の創世』の配下の者達は、結愛が奏多へ抱く感情に躍起になっている。



