「何度も同じ手は通じません」
レンは、ヒューゴの思惑を切り捨てた。
緊急脱出装置がある場所を察知し、即座に破壊したのだ。
矢継ぎ早の展開。
それも唐突すぎる流れに、一族の上層部の者達は顔をしかめる。
「ヒューゴ様」
「これでいいんだよ。緊急脱出装置の場所を把握されているが、すべてを破壊されていないからな」
一族の上層部の者の戸惑いに、ヒューゴはやれやれと肩をすくめる。
「緊急脱出装置を利用すれば、しばらくは時間稼ぎにはなる。まあ、それが通じなくなっても、俺はここで死ぬつもりはないから、できる限りの足止めをさせてもらう」
ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。
「しかし、どうやって……」
一族の上層部の者の躊躇いに応えるように、ヒューゴは唇を噛む。
このまま、悪戯に時間を消費しても平行線だ。
何もしなくては『破滅の創世』の配下達の前に為す術もなく朽ち果てるだけだろう。
ならば、機先を制した方が確かだ。
「皆さん、これ以上は行かせませんよ! 私達にとって、奏多くんは大切な存在です!」
「……結愛!」
ヒューゴ達とベアトリーチェ達が相対している。
結愛はその隙に、奏多のもとに向かおうとして。
「此ノ里結愛さん。この場を切り抜けるには、あなたの力が必要です」
「はううっ……」
一族の上層部の者達の妨害に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。
「そうさ。今の『破滅の創世』様にとって、此ノ里結愛の生死は何よりも重要だろう」
奏多の姿を認めてから、ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。
「……はううっ、重要?」
それはただ事実を述べただけ。
しかし、ヒューゴの言葉は、結愛には額面以上の重みがあった。
「あと、あの……できれば、重要だけではなくて」
「結愛?」
それを願うのは欲張りだと思いながらも、結愛には離れがたい気持ちだけが増していく。
「奏多くんの未来のお嫁さんになりたいです!」
「……っ」
結愛が覚悟を決めて、奏多を切望する。
その独占じみた想いに、奏多の胸が強く脈打った。
「……お嫁さん!?」
結愛の爆弾発言に、奏多は虚を突かれた。
「本当の本気の本物の最大級の願い事です!」
「ゆ……結愛……」
そう意気込んだ結愛と戸惑う奏多の視線が再び、交差する。
全てを包み込むような温かな光景は、張り詰めていた戦況の空気を優しく解きほぐす。
だが――。
「そうさ。此ノ里家の者達は、『破滅の創世』の配下達にとって見過ごせない存在だろう」
そんな二人の姿を認めてから、ヒューゴは薄く笑みを浮かべてから言った。
レンは、ヒューゴの思惑を切り捨てた。
緊急脱出装置がある場所を察知し、即座に破壊したのだ。
矢継ぎ早の展開。
それも唐突すぎる流れに、一族の上層部の者達は顔をしかめる。
「ヒューゴ様」
「これでいいんだよ。緊急脱出装置の場所を把握されているが、すべてを破壊されていないからな」
一族の上層部の者の戸惑いに、ヒューゴはやれやれと肩をすくめる。
「緊急脱出装置を利用すれば、しばらくは時間稼ぎにはなる。まあ、それが通じなくなっても、俺はここで死ぬつもりはないから、できる限りの足止めをさせてもらう」
ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。
「しかし、どうやって……」
一族の上層部の者の躊躇いに応えるように、ヒューゴは唇を噛む。
このまま、悪戯に時間を消費しても平行線だ。
何もしなくては『破滅の創世』の配下達の前に為す術もなく朽ち果てるだけだろう。
ならば、機先を制した方が確かだ。
「皆さん、これ以上は行かせませんよ! 私達にとって、奏多くんは大切な存在です!」
「……結愛!」
ヒューゴ達とベアトリーチェ達が相対している。
結愛はその隙に、奏多のもとに向かおうとして。
「此ノ里結愛さん。この場を切り抜けるには、あなたの力が必要です」
「はううっ……」
一族の上層部の者達の妨害に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。
「そうさ。今の『破滅の創世』様にとって、此ノ里結愛の生死は何よりも重要だろう」
奏多の姿を認めてから、ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。
「……はううっ、重要?」
それはただ事実を述べただけ。
しかし、ヒューゴの言葉は、結愛には額面以上の重みがあった。
「あと、あの……できれば、重要だけではなくて」
「結愛?」
それを願うのは欲張りだと思いながらも、結愛には離れがたい気持ちだけが増していく。
「奏多くんの未来のお嫁さんになりたいです!」
「……っ」
結愛が覚悟を決めて、奏多を切望する。
その独占じみた想いに、奏多の胸が強く脈打った。
「……お嫁さん!?」
結愛の爆弾発言に、奏多は虚を突かれた。
「本当の本気の本物の最大級の願い事です!」
「ゆ……結愛……」
そう意気込んだ結愛と戸惑う奏多の視線が再び、交差する。
全てを包み込むような温かな光景は、張り詰めていた戦況の空気を優しく解きほぐす。
だが――。
「そうさ。此ノ里家の者達は、『破滅の創世』の配下達にとって見過ごせない存在だろう」
そんな二人の姿を認めてから、ヒューゴは薄く笑みを浮かべてから言った。



