「此ノ里結愛さん。その人間は、『破滅の創世』様に害を為す存在です。その人間の言葉に惑わされてはいけません」
「そんなことない! 結愛は俺にとって、大切な存在だ!」
『破滅の創世』であるはずなのに、『破滅の創世』の配下達と分かり合えない。
奏多とレン達を隔てる、たった一つの最も重要で決定的な要素。
その要素は……『失った神としての記憶』だ。
その記憶には、一族の上層部が犯した罪過への『破滅の創世』の憤懣がある。
ましてやそれが延々と折り重ねった憎しみに起因するものであるならば、もはや激昂に近いかもしれない。
『破滅の創世』である奏多であればこそ、その怒りを身に染みるほどに理解している。
何度も神としての憤りに――絶望視した過去に囚われてしまうかもしれない。
それでも……諦めたくない。
結愛と……みんなと共に生きたい。
奏多は現実で踏ん張ると決めている。
奏多が人として生きた人生という道を、『破滅の創世』は否定なんて出来ないはずだ。
「それに人間として生まれたことを過ちになんてしたくはないから」
言葉は、言葉にすぎない。
約束なんて言葉は特に曖昧で、時としてたやすく霧散してしまう。
それでも二人で歩む未来はこれからも続いていくと、あの時、結愛と交わした甘く確かな約束を求めて。
その時、心中で無機質な声が木霊した。
『人の心など不要なものだ。その意志もいらぬ。愚者を守る必要などない』
分かっている。
人は、永遠ではない。
そんなことは分かり切っていることなのだけど。
それでも。
それでも――
「どんなことがあっても、俺は結愛と交わした約束を『信じている』」
言葉は所詮、言葉だ。
音の波は空気に触れれば溶けていく。
それでも、奏多はここで終わらせたくない。
そう強く願った瞬間の想いは、いまだ胸の内でくすぶっている。
熾火のように燃え尽きず、赤々と熱するままに己を昂らせていた。
「ずっと、そばにいるって約束したからな」
「ふふ、言いましたね、約束の力は無限大ですよ!」
ありふれた何気ない日常こそが救いなのだと他の誰でもない奏多と結愛だけが知っている。
二人でいれば、世界はどこまでも光で満ちていた。
「それに俺は、結愛と――みんなと離れたくない。自分自身の手で、この幸せを手離したくない」
奏多は信じている。
自分自身の力と未来を。
人は自らの足で歩いている。
独りではなく、手を取り合って。
「結愛達と、これからも一緒にいたい。痛くても苦しくても怖くても、この感情から逃げたくないから」
奏多は聞いていた。
数多の旋律を束ね、神奏を天へと放つ。
数多の人々の想い。
その旋律は、永久に紡がれるはずだと。
「そんなことない! 結愛は俺にとって、大切な存在だ!」
『破滅の創世』であるはずなのに、『破滅の創世』の配下達と分かり合えない。
奏多とレン達を隔てる、たった一つの最も重要で決定的な要素。
その要素は……『失った神としての記憶』だ。
その記憶には、一族の上層部が犯した罪過への『破滅の創世』の憤懣がある。
ましてやそれが延々と折り重ねった憎しみに起因するものであるならば、もはや激昂に近いかもしれない。
『破滅の創世』である奏多であればこそ、その怒りを身に染みるほどに理解している。
何度も神としての憤りに――絶望視した過去に囚われてしまうかもしれない。
それでも……諦めたくない。
結愛と……みんなと共に生きたい。
奏多は現実で踏ん張ると決めている。
奏多が人として生きた人生という道を、『破滅の創世』は否定なんて出来ないはずだ。
「それに人間として生まれたことを過ちになんてしたくはないから」
言葉は、言葉にすぎない。
約束なんて言葉は特に曖昧で、時としてたやすく霧散してしまう。
それでも二人で歩む未来はこれからも続いていくと、あの時、結愛と交わした甘く確かな約束を求めて。
その時、心中で無機質な声が木霊した。
『人の心など不要なものだ。その意志もいらぬ。愚者を守る必要などない』
分かっている。
人は、永遠ではない。
そんなことは分かり切っていることなのだけど。
それでも。
それでも――
「どんなことがあっても、俺は結愛と交わした約束を『信じている』」
言葉は所詮、言葉だ。
音の波は空気に触れれば溶けていく。
それでも、奏多はここで終わらせたくない。
そう強く願った瞬間の想いは、いまだ胸の内でくすぶっている。
熾火のように燃え尽きず、赤々と熱するままに己を昂らせていた。
「ずっと、そばにいるって約束したからな」
「ふふ、言いましたね、約束の力は無限大ですよ!」
ありふれた何気ない日常こそが救いなのだと他の誰でもない奏多と結愛だけが知っている。
二人でいれば、世界はどこまでも光で満ちていた。
「それに俺は、結愛と――みんなと離れたくない。自分自身の手で、この幸せを手離したくない」
奏多は信じている。
自分自身の力と未来を。
人は自らの足で歩いている。
独りではなく、手を取り合って。
「結愛達と、これからも一緒にいたい。痛くても苦しくても怖くても、この感情から逃げたくないから」
奏多は聞いていた。
数多の旋律を束ね、神奏を天へと放つ。
数多の人々の想い。
その旋律は、永久に紡がれるはずだと。



