「厄介極まりねえな」
流石にそう簡単には通してくれないかと、慧は思考を巡らせた。
「やれやれ。時間稼ぎさえ……させてもらえないか。『破滅の創世』の配下達の力は凄まじいねぇ」
「くだらないことを……。時間稼ぎができるとでも思っていたのですか」
平坦な声で、レンはヒューゴの思惑を切り捨てる。
そのまま、無造作に右手を斜め上に振り払う。
本来なら、それだけでヒューゴ達は吹き飛ばされただろう。
だが、ヒューゴは手をかざしたことで、その攻撃をなかったことにしたのだ。
「ふむ……、面白い能力じゃ。だが、わらわ達の邪魔をするのなら消し飛ばすまでじゃな」
「そうですね」
レンの代わりに、ベアトリーチェが動こうとした。
その反応も、想定どおりだったというように、ヒューゴの楽しそうな表情は変わらない。
「さすがに不変の魔女、ベアトリーチェ様の力は防げないからな。この場を切り抜けるためには――」
如何に不明瞭な状況でも、答えはそれだけで事足りた。
そう言わんばかりに、ヒューゴが事実をさらりと告げようとしたものの。
「何度も同じ手は通じません」
レンは、ヒューゴの思惑を切り捨てた。
緊急脱出装置がある場所を察知し、即座に破壊したのだ。
矢継ぎ早の展開。
それも唐突すぎる流れに、一族の上層部の者達は顔をしかめる。
「ヒューゴ様」
「してやられたな。あんなにあっさりと、緊急脱出装置の場所を把握されるとは思わなかった」
一族の上層部の者の戸惑いに、ヒューゴはやれやれと肩をすくめる。
「恐らく、他の緊急脱出装置の位置も把握されているだろうな。まあ、俺はここで死ぬつもりはないから、できる限りの足止めをさせてもらう」
ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。
「しかし、どうやって……」
一族の上層部の者の躊躇いに応えるように、ヒューゴは唇を噛む。
このまま、悪戯に時間を消費しても平行線だ。
何もしなくては『破滅の創世』の配下達の前に為す術もなく朽ち果てるだけだろう。
ならば、機先を制した方が確かだ。
「皆さん、これ以上は行かせませんよ! 私達にとって、奏多くんは大切な存在です!」
「……結愛!」
ヒューゴ達とベアトリーチェ達が相対している。
結愛はその隙に、奏多のもとに向かおうとして。
「此ノ里結愛さん。あなたの相手はわたし達です」
「はううっ……」
一族の上層部の者達の妨害に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。
「そうさ。今の『破滅の創世』様にとって、此ノ里結愛の生死は何よりも重要だろう」
奏多の姿を認めてから、ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。
流石にそう簡単には通してくれないかと、慧は思考を巡らせた。
「やれやれ。時間稼ぎさえ……させてもらえないか。『破滅の創世』の配下達の力は凄まじいねぇ」
「くだらないことを……。時間稼ぎができるとでも思っていたのですか」
平坦な声で、レンはヒューゴの思惑を切り捨てる。
そのまま、無造作に右手を斜め上に振り払う。
本来なら、それだけでヒューゴ達は吹き飛ばされただろう。
だが、ヒューゴは手をかざしたことで、その攻撃をなかったことにしたのだ。
「ふむ……、面白い能力じゃ。だが、わらわ達の邪魔をするのなら消し飛ばすまでじゃな」
「そうですね」
レンの代わりに、ベアトリーチェが動こうとした。
その反応も、想定どおりだったというように、ヒューゴの楽しそうな表情は変わらない。
「さすがに不変の魔女、ベアトリーチェ様の力は防げないからな。この場を切り抜けるためには――」
如何に不明瞭な状況でも、答えはそれだけで事足りた。
そう言わんばかりに、ヒューゴが事実をさらりと告げようとしたものの。
「何度も同じ手は通じません」
レンは、ヒューゴの思惑を切り捨てた。
緊急脱出装置がある場所を察知し、即座に破壊したのだ。
矢継ぎ早の展開。
それも唐突すぎる流れに、一族の上層部の者達は顔をしかめる。
「ヒューゴ様」
「してやられたな。あんなにあっさりと、緊急脱出装置の場所を把握されるとは思わなかった」
一族の上層部の者の戸惑いに、ヒューゴはやれやれと肩をすくめる。
「恐らく、他の緊急脱出装置の位置も把握されているだろうな。まあ、俺はここで死ぬつもりはないから、できる限りの足止めをさせてもらう」
ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。
「しかし、どうやって……」
一族の上層部の者の躊躇いに応えるように、ヒューゴは唇を噛む。
このまま、悪戯に時間を消費しても平行線だ。
何もしなくては『破滅の創世』の配下達の前に為す術もなく朽ち果てるだけだろう。
ならば、機先を制した方が確かだ。
「皆さん、これ以上は行かせませんよ! 私達にとって、奏多くんは大切な存在です!」
「……結愛!」
ヒューゴ達とベアトリーチェ達が相対している。
結愛はその隙に、奏多のもとに向かおうとして。
「此ノ里結愛さん。あなたの相手はわたし達です」
「はううっ……」
一族の上層部の者達の妨害に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。
「そうさ。今の『破滅の創世』様にとって、此ノ里結愛の生死は何よりも重要だろう」
奏多の姿を認めてから、ヒューゴは薄く笑みを浮かべて言った。



