「この世界が滅ぶ。だから、何だというのでしょうか。全ては『破滅の創世』様だけで充分です……。私達にとって、それ以外の者はいてもいなくても関係ない」
レンの信の行く果てに、司達の想いは相容れない。
「『破滅の創世』の配下の者は、いつでも『破滅の創世』に忠実じゃな。わらわの配下の者にも見習わせたいのう」
ベアトリーチェが念押しするように言った。
「わらわの配下の者は、わらわの意見など、聞く耳持たぬ。だから、人間と手を組んで暴動など、意味のないことを起こすのじゃな」
ベアトリーチェは腕を組んで不満をもらす。
「世界を変えるのは、人間やわらわの配下の者の一存だけでは決められぬというのに」
破滅をもたらす。
救いをもたらす。
相反するようで、彼女達の中では一致している。
神が示した神命。
それは絶対に成し遂げなくてはならない。
神命の定めを受けて生を受けた配下達にとって、神の存在は絶対者だった。
「レン。お主も、そう思うじゃろう?」
「はい、もちろんです。……幸い、アルリットとリディアによって、『破滅の創世』様の居場所は把握できています。あとは一族の上層部の者を妨害し、その隙に『破滅の創世』様のもとに赴くことができれば……」
ベアトリーチェの言葉に、随分と物腰丁寧な仕草でレンは礼をする。
大仰に両の腕を広げながら。
奏多の――『破滅の創世』の記憶が戻るのを待ちわびるように。
「ベアトリーチェ様の神の力は、必ずや『破滅の創世』様をお救いするための一助となるはずです。では、この状況に乗じて、私達もまた、『破滅の創世』様のもとに参りましょう」
『破滅の創世』の思い描く情景には遠いかもしれないが、これは確かな一歩のはずだとレンは確信していた。
「願わくはこの戦いで、『破滅の創世』様の神のご意志が戻ることを――」
『破滅の創世』の配下達は、『破滅の創世』の存在とともに在る。
死、消滅、終焉……。
形容しがたい『終わり』の気配とともに、だ。
『境界線機関』の基地の防衛戦が苛烈さを増した頃。
「ふー、奏多くん。『境界線機関』の基地の入口にようやくたどり着きましたよ」
『境界線機関』の基地本部の入口の前で、結愛は大きく伸びをする。
今回の『破滅の創世』の配下達の襲撃を受けて、多くの人達が別の基地に移動するために自動車やバスに乗り込んでいるのが見受けられた。
「ここに……一族の上層部の者達がいるんだよな……」
戦局を見据えていた奏多は置かれた状況を重くみる。
レンの信の行く果てに、司達の想いは相容れない。
「『破滅の創世』の配下の者は、いつでも『破滅の創世』に忠実じゃな。わらわの配下の者にも見習わせたいのう」
ベアトリーチェが念押しするように言った。
「わらわの配下の者は、わらわの意見など、聞く耳持たぬ。だから、人間と手を組んで暴動など、意味のないことを起こすのじゃな」
ベアトリーチェは腕を組んで不満をもらす。
「世界を変えるのは、人間やわらわの配下の者の一存だけでは決められぬというのに」
破滅をもたらす。
救いをもたらす。
相反するようで、彼女達の中では一致している。
神が示した神命。
それは絶対に成し遂げなくてはならない。
神命の定めを受けて生を受けた配下達にとって、神の存在は絶対者だった。
「レン。お主も、そう思うじゃろう?」
「はい、もちろんです。……幸い、アルリットとリディアによって、『破滅の創世』様の居場所は把握できています。あとは一族の上層部の者を妨害し、その隙に『破滅の創世』様のもとに赴くことができれば……」
ベアトリーチェの言葉に、随分と物腰丁寧な仕草でレンは礼をする。
大仰に両の腕を広げながら。
奏多の――『破滅の創世』の記憶が戻るのを待ちわびるように。
「ベアトリーチェ様の神の力は、必ずや『破滅の創世』様をお救いするための一助となるはずです。では、この状況に乗じて、私達もまた、『破滅の創世』様のもとに参りましょう」
『破滅の創世』の思い描く情景には遠いかもしれないが、これは確かな一歩のはずだとレンは確信していた。
「願わくはこの戦いで、『破滅の創世』様の神のご意志が戻ることを――」
『破滅の創世』の配下達は、『破滅の創世』の存在とともに在る。
死、消滅、終焉……。
形容しがたい『終わり』の気配とともに、だ。
『境界線機関』の基地の防衛戦が苛烈さを増した頃。
「ふー、奏多くん。『境界線機関』の基地の入口にようやくたどり着きましたよ」
『境界線機関』の基地本部の入口の前で、結愛は大きく伸びをする。
今回の『破滅の創世』の配下達の襲撃を受けて、多くの人達が別の基地に移動するために自動車やバスに乗り込んでいるのが見受けられた。
「ここに……一族の上層部の者達がいるんだよな……」
戦局を見据えていた奏多は置かれた状況を重くみる。



