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 午後の授業が始まった校舎内は静かだった。教室内の防音設備が整っているおかげで、教室近くの階段にも静寂が満ちている。

 風紀委員会室にリューを残して出たサードは、生徒たちのいる授業棟を避けて、一階にある保健室を目指した。

 向かう途中、教員室の開いた扉から、数人の中年男性の談話が聞こえてきた。彼らの話題は、来週から提案の募集が開始される新入生歓迎会についてだった。

 近いうちには、百年に一度『次期皇帝たち』と戦う悪魔が降臨する。それなのに平和なもんだよなぁと思いながら、サードは気配を消してそこを通り過ぎた。

 その時、背後に迫る何者かの動きを感知して足を止めた。

 こちらに向かって伸ばされた手を、気配で察して咄嗟に払いのける。相手のみぞうちに軽く拳を叩き込むと同時に、足を払って廊下に転がせた。

 相手が廊下に伏したところで、サードはその姿を目に留めて戦闘モードを解いた。思わず、心底うんざりするという表情で苦々しく呟く。