サードは一瞬、自分の耳がおかしくなったのだろうか、と叩いてしまった。それから、やっぱり表情に困惑を隠せないまま、リューへと顔を向ける。
「…………男同士、だよな?」
「それがどうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
この学園の常識はおかしい。そう思って、顔をそらして会話を切り上げた。
思い返せば、業務休憩が開始されてから一人になる時間が減っているせいで、スミラギに会えていない。そろそろ薬の時間でもあるし、飲みがてらちょっと出歩いてくるかと決めて「よし」と声を出して立った。
「ちょっと見回りに行ってくる」
「了解です。お気を付けて」
リューの返答を背に、サードは風紀委員室を出た。
廊下には、相変わらず人の姿はなかった。胸元に入れている薬ケースを取り出し、最近は深夜になると酷い乾きと共に発作を起こす身体をぼんやりと思いながら――『悪魔の血の丸薬』を口に放り込んで、ガリッと噛み砕いた。
「…………男同士、だよな?」
「それがどうかしましたか?」
「いや、なんでもない」
この学園の常識はおかしい。そう思って、顔をそらして会話を切り上げた。
思い返せば、業務休憩が開始されてから一人になる時間が減っているせいで、スミラギに会えていない。そろそろ薬の時間でもあるし、飲みがてらちょっと出歩いてくるかと決めて「よし」と声を出して立った。
「ちょっと見回りに行ってくる」
「了解です。お気を付けて」
リューの返答を背に、サードは風紀委員室を出た。
廊下には、相変わらず人の姿はなかった。胸元に入れている薬ケースを取り出し、最近は深夜になると酷い乾きと共に発作を起こす身体をぼんやりと思いながら――『悪魔の血の丸薬』を口に放り込んで、ガリッと噛み砕いた。