そのまま、仔猫を助けた木の下の芝生に寝転がった。眩しい日差しを遮ってくれている木の葉から、チラチラと覗く青い空を眺めながら、昨日の健康診断の結果について思い返した。

 精密検査で確認されたのは、この身体が、長く見積もっても余命三ヶ月を切っているということだった。

 このスピードでいくと、恐らく一ヶ月後には、更に余命が短くなっている可能性もあるという。発作の際には、超治癒再生の遅れを取り戻すため『悪魔の血の丸薬』を飲むようにと追加で指示も受けた。

 悪魔が現れる月食については、二週間以内に起こるだろう研究者たちは推測を語ってくれた。月食の動きが確認された場合は、全校生徒をすみやかに敷地外へ連れ出し、悪魔を逃がさないため学園の敷地全体に強固な結界を張る。

 つまり月食は、どんなに遅くとも一ヶ月内には確実に起こる。だから縮まった余命については、計画になんら支障もないといことが確認されたわけだ。